東宝ビデオ1996-11-01 - 東宝ビデオ 価格
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東宝ビデオ

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発売日: (1996-11-01) アマゾン売上ランキング: 1487 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 2件

悲劇とは何か
 世界的な映画監督としての評価を不動にした一方で、その妥協のない作風ゆえにとにかく予算がかかり、東宝との関係も最悪だったという80年代の黒澤明。この映画も日本国内ではもはや予算が集められず、フランスまで行って予算を集め、25億円以上(当時)をかけて作られた。CG全盛の現代映画と違い、圧倒的な物量と綿密なカメラ・ワークが作る映像世界は、やはり圧巻。(また、仲代達也のメイクと芝居は現代ハリウッドのCGアニメキャラを超えた完成度を未だに誇っている。)こんな贅沢な戦国映画はもう撮影されることはないのだろうか、と思うと、時代劇ファンとしては少し寂しい。(当時だって「世界のクロサワ」(=なんか、嫌な響きだよね)だから許されたワガママ放題であって、邦画制作は既に惨憺たる状況だった。)

 そして、この贅沢さで映像美を裏打ちする方向性というのが、逆に90年代以降の黒澤映画の「衰え」(と敢えて言おう)を準備したんじゃないかと思う。本作はそういう意味で、物量映像美路線の臨界点なんじゃないか。

 シェークスピア「リア王」をベースにしているため話の筋の予想がついてしまうのが難点だが、人間と戦争の残酷さ・エグさが存分に描かれており、シェークスピア映画としてみても全く違和感なく仕上がっている。とにかく残酷なストーリーなんだけど、これが「悲劇」というものなのだろう。「悲しい劇」が「悲劇」だと思ってた自分の目を覚まさせてくれた一作。しかし、シェークスピアのクラオモシロさ(暗い+面白さ)に気づかせてくれたのは思わぬ収穫。

 モノクロ映画時代のファンが多い黒澤映画だが、「クロサワ」を語るなら色んな意味で避けて通れない作品。
骨と原色
表現や演出が理に適っていて、非常に男性的な語り口だと思った。
一方、映像は感性でとらえている気がして、それでバランスがとれているのだろうか?

一見、無造作にちりばめられた、登場人物達のイメージカラー。
その原色は、黒々とした大地や森を背景にすると、途端、美しく映えた。

哀しい。

なんで人間はこんなにも荒々しく負のエネルギーを燃やせてしまうのか。
悲惨にもその生命力は満ち満ちている。
憎しみと表裏一体の「それ」が儚い。

野村萬斉や、ピーターなど配役も興味深いです。