生きる

東宝ビデオ1996-11-01 - 東宝ビデオ 価格
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生きる

東宝ビデオ

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発売日: (1996-11-01) アマゾン売上ランキング: 4995 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 4件

深さに心を打たれた作品
後半部で描かれる,死を見つめながらすさまじい勢いと情熱で,つくることに専念する凄絶な主人公のあり方と死を受け入れる姿―それが胸に突き刺さり,死ぬという事実を含んだ上での「生きる」という事の深い美しさを感じさせる作品でした.自身を呑み込んでしまうほどの死への恐怖と抑鬱とを乗り越え,存在の全てをかけて何かに打ち込みながら死を受け入れてゆくという主人公の心の変化の描き方には,人間の本質に対する黒澤明監督の洞察力の鋭さが表れているように思います.また,主演・志村喬の演技が,彼自身の命と心が凝縮された重みが含まれているようで見事です.死を見つめて生きる主人公が,美しいものや愉快な人に出会った時に見せる笑顔,そして雪が舞う中でブランコに揺られながら穏やかに子供のように歌う姿には涙がこぼれました.

黒澤明流の作劇の方法がとても面白いのもこの作品の特徴だと思います.伏線の引き方やストーリーの展開,社会のあり方を切り取った描写や批判の盛り込み方とテンポなどには,さすが・・とうならせるものがありました.

生きるのは何のため?
人生、人ひとりの生き方に一体どんな意味があるのだろうか。主人公は、ふつうに
就職をし、ふつうに家族を持ち、ごく普通に出世もし、長きに安定した市民課職務
から大過なく定年を迎えようとしていた。時間は、保身生活確保意外の関心を、彼
から奪っていたかのように見えた。
ところが晩年、病に伏した彼に命の期限が言い渡されるとき、主人公・志村喬は初
めて自分に生きだすべく、役所の地域社会への理不尽と時間とを相手に、挑戦を始
めるのだった。
それは何故か、どこからその気力は絞り出されたのだろうか。是非ご鑑賞頂きたい。

そもそも、自分がこの世に存在する意味ってなんだろう?
人ひとりの仕事とは何のために存在しうるのか。
それは雇用のためのあるポスト?それとも社会のニーズから?

黒沢監督がそんなことも強烈に社会にテーゼした映画である。
この映画のテーマ性は、後年ほかの様々なドラマの教科書的なモデルにもなっている
ようだが、これより優れた「社会の中で生きる」ことへの、気づきをの表現した作品
は見られないように思います。

老若男女、一体何の為に「生きる」のか、それは自分を充分に生き切ることから始ま

り、そこから一人ひとりの意味や役割が生み出されることを、当時黒澤監督は劇的な
構成と手法で鑑賞者へ伝えようとしている

過大評価されている労作
本作は黒澤作品の中で、最も正当に評価を問い直されなければいけない作品だ。結果を書けば、客観的に評して水準ギリギリの仕上がりである。メッセージ性というものは映画に必ずしも必要なものではない、と当方は考えている。肝心なのは、演出と脚本である。脚本といっても題材などどうでもよい、どれだけ巧みに作劇されているかが肝心。まず主人公が死ぬまでの前半はマズマズ快調なテンポだが、回想形式となる後半は退屈。平凡な台詞劇に終始して興醒めでしかない。映像作品としては傑作からは程遠い出来と言わざるをえない。
生きる事の意味を問う名作
「七人の侍」と双璧を成す黒澤作品の代表作にして日本映画史上に残る名作。名優・志村喬の演技は生涯最高の出来映え。市長に公園建設の依頼をする迫真の演技があれば、雪の降る夜の公園のブランコに1人微笑みを浮かべて乗っている穏やかな演技ありと、非常に難しい役柄を見事にこなしている。

人が人として生きるという事とは、一体どういう事なのか?生きる事の意味とは何なのか?この作品は、観る者すべてに重く普遍的テーマを投げかけている。