幼少の頃からの非行、青年期には何度も前科を背負い、最後には何人もの人間を殺しながら逃亡を続けた人物の光と影を描く。殺人を犯しながら詐欺を続ける主人公を緒形拳が、
圧倒的な迫力で演じ、その周辺を固める父親役の三國連太郎、ミヤコ蝶々、小川真由美、清川虹子、倍賞美津子らとの複雑で不条理な人間関係が濃密に描かれる。
日本映画でも類を見ない重厚なストーリーの中であぶりりだされる「生きる事の業」は観るものを圧倒する。
このすさまじき世界と卓越した完成度は今の日本映画にはすっかり無くなってしまった。
居場所をなくした荒ぶる魂の咆哮。ぜひDVD化してほしい一本。