父ありき

松竹ホームビデオ1991-05-29 - 松竹ホームビデオ 価格
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父ありき

松竹ホームビデオ

価格(new/used): -- 円 / 241 円 より
発売日: (1991-05-29) アマゾン売上ランキング: 1092 位
Video / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 1件

不遇の名作.
小津監督が戦中に製作した作品。
発表年代こそ小津作品でも古い方だが、その哲学性とテクニックは既に完成されている。

「お互いに信頼しているが、止むを得ず離れて暮らさざるを得なかった親子」という基本設定が素晴らしい。
親子の間の物理的、精神的な距離感をまず描写する事で、
佐野周二が「晩春」の原節子も真っ青の気色悪いファザコン男になってしまうのを巧妙に避けている。
スローテンポの中に鋭い切り替えしが混ざる刺激的な演出も全く飽きさせない。
美しい親子愛を描きながら、やがて逆らえぬ運命に飲み込まれていく人々の哀愁をも描いた名品。

ただ、当時より劣悪な状態で保存されたためか、このビデオ版は音質がひどく悪く、
台詞を聴き取れないシーンがしばしばあり、画像の状態も汚いのが難点。
これほどの名作すら禄に保存できなかった戦争中の日本。
小津監督はこの親子を通して、戦時下の人々の胸にあったであろう
諦念と虚無感をすくい上げてみたかったのかもしれない。


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