ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集

ポリーニ(マウリツィオ)&アバド(クラウディオ)2008-06-25 - ユニバーサル ミュ... 価格 ¥ 4,400
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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集

ポリーニ(マウリツィオ)&アバド(クラウディオ)
ユニバーサル ミュージック クラシック

価格(new/used): 4,400 円 / 4,480 円 より
発売日: (2008-06-25) アマゾン売上ランキング: 115563 位
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収録曲のリスト
  1. ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15 第1楽章: Allegro con brio
  2. ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15 第2楽章: Largo
  3. ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15 第3楽章: Rondo.Allegro [scherzando]
  4. ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品19 第1楽章: Allegro con brio
  5. ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品19 第2楽章: Adagio
  6. ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品19 第3楽章: Rondo.Molto allegro
  7. ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37 第1楽章: Allegro con brio
  8. ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37 第2楽章: Largo
  9. ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37 第3楽章: Rondo.Allegro
  10. ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58 第1楽章: Allegro moderato
  11. ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58 第2楽章: Andante con moto
  12. ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58 第3楽章: Rondo.Vivace
  13. ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 《皇帝》 第1楽章: Allegro
  14. ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 《皇帝》 第2楽章: Adagio un poco mosso-attacca:
  15. ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 《皇帝》 第3楽章: Rondo.Allegro
  16. ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56 第1楽章: Allegro
  17. ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56 第2楽章: Largo-attacca:
  18. ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56 第3楽章: Rondo alla Polacca
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 1件

意表を突いたカップリングですが、いずれも名演でしょう。
ポリーニとアバド指揮ベルリンフィルによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(92年〜93年、ベルリンでのライヴ録音)に2006年、ローマでライヴ収録されたロンクィヒ(ピアノ)、グリンゴルツ(ヴァイオリン)、ブルネッロ(チェロ)、アバド指揮ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース・オーケストラによるベートーヴェンの「ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲」をカップリングした新録音を合わせた再編集版。こういう再編集版はなかなか買う方にしてみると悩ましいもので、商業戦略的な意図を感じてしまうのだが、のせられて買ってみました。

ポリーニによる全集については再度言及の必要はないかもしれないが、改めて聴いてみての印象であるが、やはりその瑞々しいピアノは見事である。ポリーニのピアノは元来理知的で、直線的な音色によるクールな響きに特徴があったが、その一方で冷たさや即物性もあった。しかしこの頃の録音になると、情感、と言っていいのだろうか、適度な柔らか味を合わせて獲得している。この特性は協奏曲を始めとする他の器楽と競演をするジャンルにおいて、ことのほか重視されるものだと思う。現にポリーニは室内楽への参画が極端に少ないピアニストであるが、今であれば、室内楽にも素晴らしい名演を聴かせることは間違いないと思う(なのでこちらの方面の開拓も、フアンとしては望まれるわけです)。

協奏曲の中では古典的でありながら、即興的な色合いを持っている第2番などで、この暖かみのある音色は音楽の幅を心地よく広げてくれる。第2楽章の高雅さなどなかなか得がたい魅力に満ちている。第4番も良い。音色がつねに高級な色合いを持っていて、オーケストラと溶け合っている。楽想の移り変わりが自然で、ニュアンスが濃い。「皇帝」もぱっと聴いた感じ「豪壮」であるけれどもその、その「豪壮さ」の内訳が高度に裏打ちされた論理的な構成感によっている。それでいて冷徹一辺倒にならないところが巨匠の芸といえる。

さて、新たに加えられた「三重協奏曲」であるが(オーケストラまで違うので、共通の演奏者はアバドだけどいうことになるのですが・・・)、まずアバドがこの若手中心のオーケストラから見事に滋味豊かなサウンドを引き出していることに驚かされる。このオーケストラはドゥダメルとの録音では指揮者ともども溌剌とした生命力が見事だったのだが、ここでは時として老成感のようなものさえ醸し出すようなユーロピアン・サウンドだ。もちろん、合奏による若々しい推進力も健在で、いい演奏だ。独奏陣も息が合っている。第2楽章のブルネッロのチェロによる息の長いフレーズは夢心地の美しさだし、ピアノ、ヴァイオリンとも内省部を鑑みた表情の交錯が見事。これまた名演で、ポリーニの録音とカップリングしても、勝るとも劣らない内容と思います。