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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 VOL.4(三大ソナタ)(紙ジャケット仕様)グールド(グレン) ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル 価格(new/used): 3,500 円 / 3,250 円 より 発売日: (2007-09-19) アマゾン売上ランキング: 9468 位 CD / 在庫切れ 収録曲のリスト [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0
/ 総数: 1件
「三大ソナタ」に対する強い懐疑の念の表明ピアノ・ソナタ第8番 Op.13 『悲愴』が1966年4月18,19日、ピアノ・ソナタ第14番 Op.27-2『月光』が1967年5月15日、ピアノ・ソナタ第23番 Op.57『熱情』が1967年10月18日 、いずれもニューヨーク、コロムビア30番街スタジオで録音。グールド37枚目のアルバム。 グールドのアルバム「三大ソナタ集」は,ベートーヴェン生誕 200 年にあたった1970 年に1枚のアルバムとして発売された。しかも自筆のライナーノーツには,「三大ソナタ」に対する強い懐疑の念を表明している。そしてこの中でグールドは,題名のついた「人気のあるソナタ」6曲(三大ソナタに加えて「田園」「ワルトシュタイン」「告別」)に言及し,「月光」と「告別」以外について,「ベートーヴェンの創作活動の金字塔となった作品はひとつもない」と断言している。その上で,「このアルバム全3曲のうち,《悲愴》と《熱情》の2曲は,構成について何らかの大胆な発想を秘めているかどうかよりも,当時のベートーヴェンの姿勢がどのように示されているかの方が注目に値する」と述べている。一方、晩年には第12番・第13番・第15番を高く評価するとも表明している。いったいどれが結論なのか、はたまたホントに気に入らなくても録音を残すものか。ますます真意への謎は聴く前から深まる一方となってしまう。 その上グールドは,「グレン・グールド,ベートーヴェンについてグレン・グールドに訊く」というセルフ・インタヴュー風の記事まで書き,自分のベートーヴェン観を論じ立てている。実に能弁なピアニストだ。 まとめればこの「三大ソナタ集」は自身の構造的疑念を明らかにするための所作、と言えるかもしれない。特に『熱情』ではいやいや弾いているのが見え見えだが、それでも面白い出来栄えになっている。つまりこのアルバムはグールドのライナーにおける解釈論を吟味し、それを彼が証明するように具現化をピアノでやってみせている、という驚くべき録音ということになるだろう。やることに妥協がないのだ、グールドという人は。 |