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渡辺貞夫・アット・ピット・イン(紙ジャケット仕様)渡辺貞夫 ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル 価格(new/used): -- 円 / 5,980 円 より 発売日: (2007-08-22) アマゾン売上ランキング: 108269 位 CD / 在庫切れ [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 2件 現場の実感。ナベサダライブの白眉僕はこのとき新宿のピットインにいた。シダー・ウォルトン・トリオと渡辺貞夫がピットインで共演するというニュースを聞いたとき、「これは是非いくぞ!」とすんなり決まった。このときは昼と夜の2セットで僕は夜だったような気がするがはっきり覚えていない。確かなのは、オーネット・コールマンやデクスター・ゴードン、ハンク・モブレーなど大物と共演したビリー・ヒギンズ(ds)、キャノンボールとマイルスの「枯葉」で有名なサムシング・エルスのときのベーシスト、サム・ジョーンズ、アートブレイキーとJMのピアニストとしても活躍した名手のシダー・ウォルトンという凄いメンバーとわれらがナベサダが共演し、これこそジャズだというものすごい感動が体中を走ったことだけだ。僕が聴いたときもミキサーが入っていたので、「これがレコードになるんだ。もしかしたら僕の拍手や口笛も入っているかも知れない」という一体感が何よりもうれしかった。残念ながらこのアルバムは僕が聴いたセットと違うものと後で知ったが、当時の感動や臨場感はなんらそん色ない。日本のジャズメンが世界と渡り合った貴重なドキュメントであり、その現場に立ち会えたという満足感は何物にも変えがたい。ナベサダライブの白眉は彼の代表作になったのだ。 33年前の新宿にタイムトリップさせられる。うわべだけでナベサダを甘ったれたフュージョン系のアルト吹きだと思うと大火傷をする。ナベサダはビバップの流れを受け継いだ生粋の正統派ハードバッパーだ。今から33年前のクリスマスイブに新宿のピットインでライブ録音されたまるで奇跡のようなライブアルバムがその動かぬ証拠だ。まずはCeder Walton(p), Sam Jones(b), Billy Higgins(ds)という名プレーヤー達を揃えた面子のリズムセクションに驚く。うなり声を発しながら、気合いのこもったステック捌きを見せるヒギンス。ベースをブンブン言わせながら激しくグルーヴするジョーンズ。スピード感溢れるピアノを縦横無尽に弾きまくるウォルトン。全然手抜きのない本気汁をまき散らしながらのスウィングがハンパじゃない。ライブならではのドライヴ感にも圧倒される。この強者達に真正面から立ち向かい、互角いやそれ以上に渡り合うナベサダ。いやはや恐れ入った。ビバッパーとしての本性を剥きだしにして激しくブローする。まるでパーカーが乗り移ったような鬼気迫るプレイぶりに鳥肌が立ちっぱなし。お互いに刺激し合いながらも、演奏が進むに連れて見事な程の一体感を感じさせるカルテットのプレイぶりにノックアウト。この場に居合わせた幸運な観客達も大いに盛り上がる。当然だろうこんな凄い演奏を聴かされたらば。お馴染みのジャズスタンダーズからの4曲の選曲にも文句なく乗れる。 表の青筋立てたナベサダのモノクロ写真も良いが、裏面のギグ後の故ビリー・ヒギンズの自慢げなポートレイト写真も良い。本盤は紙ジャケ、DSDリマスターリング、ハイブリッド仕上げのゴールドデイスク。まるで観客席で聴いているような臨場感溢れる音質にも降参させられる。プレーヤー達の汗や唾が飛んできそうだ。世界に誇れる一級品のライブアルバムに違いない。 |