バッハ:フランス組曲第1番~第4番(紙ジ...

グールド(グレン)2007-03-07 - ソニー・ミュージッ... 価格 ¥ 1,708
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バッハ:フランス組曲第1番~第4番(紙ジャケット仕様)

グールド(グレン)
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

価格(new/used): 1,708 円 / 950 円 より
発売日: (2007-03-07) アマゾン売上ランキング: 76772 位
CD / 通常24時間以内に発送
収録曲のリスト
  1. フランス組曲第1番ニ短調 BWV812
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 2件

初めて聴いたフランス組曲がグールドだった奴の意見
軽快で清涼感のある「イギリス組曲」と比べると、本作は甘美で暖かみがあり砂糖が少し多めにふりかけられた感じ。
“フランス”を意識して聴いてしまうためか、随所にフランシス・レイやミシェル・ルグランっぽい部分があるような。

この時代の音楽は、楽譜に記されていない装飾音符を付ける等、特にリピートで自由に演奏するのが通例ですが、
グールドの自由さは一段飛び抜けてます。例えば第2番のメヌエットII。リピートで右手左手ともに1オクターブ
上げています。こんな指示は楽譜にはありません。また、第5番のアルマンドでは全体にわたってトリル終わりの音
を「タッ、ターン」と一瞬2度上げており、他の奏者の演奏とは全く違った曲を思わせるものになっています。
第3番のサラバンドのほか、随所に聴くことのできる「tierce coulee」(滑る3度。クラブサン奏法の一種。
例えばド・ミの和音の場合、ドレミと素早くアルペジオする。その際レは音を延ばさない。)も実に効果を上げてい
ます。(滑る3度は、ラヴェルのピアノ曲「ハイドンの名によるメヌエット」でも聴くことができる。)
他にも、低音部や内声部のフレーズをことさら大きく聴かせたり、装飾音符をノン・レガートで弾く、ときどき音を
非常に短くスタッカートするなどおなじみのグールド節も満載です。
そして重要なのはそのどれもが非常に効果的かつ強い説得力を持っているということ。他の奏者に比べるとひとつ
ひとつの打鍵に活気と意図が満ちており、おそらく作曲家自身も気づくことがなかった「別種の完成品」を聴くこと
ができるのです。

私が個人的に気に入っているのは第6番のサラバンド。仕事帰りに車内で聴くと、疲れきった心と体に深くしみ込ん
でくる感覚があります。
これほど夕焼け空が似合うサラバンドを私は他に知りません。
愛しき妻への贈り物
バッハは10才の時に両親を亡くしている。そして最初の妻、マリーア・バルバラにも先立たれる。そして1721年12月、15才年下のケーテンの宮廷歌手だったアンナ・マグダレーナと結婚する。おそらくは明るい家庭生活を取り戻してくれた若妻に感謝の気持ちでいっぱいだったに違いない。それが、バッハのイマジネーションに火をつける。イギリス組曲・フランス組曲・パルティータはいずれも新婚早々に妻のために書いた2冊の『アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集』に由来するからだ。1722年の第一巻にはフランス組曲の5曲が含まれている。

フランス組曲とイギリス組曲の構成の差、それはアルマンドの前にプレリュードを持っていることである。よってフランス組曲を『小組曲』、イギリス組曲を『大組曲』と呼ぶこともできる。演奏してみるとこのプレリュードの部分が長大で、CD2枚にイギリス組曲がなってしまうのも無理はないと思う。

グールドはこのバッハの妻への愛に満ちた作品をいつものようにとつとつと弾いて見せる。グールドはいつも一度に8時間録音していたそうだが1時間以上ピアノに向かっていることはなかったそうである。あとはただ再生テープを聴き、最良の自己表現たるテイクまで試行を続けるのだ。それがとつとつと弾いているように聴こえるというのも面白い。

閑話休題。フランス組曲はELPのファーストの名曲『ナイフ・エッジ』の中間部にも(3:22以降)使われているのでロック・オンリーの人も聴けば、あーあの曲かと言うでしょう。