ブルックナー:交響曲第5番

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ヴァント(ギュンター)2006-12-06 - BMG JAPAN 価格 ¥ 2,352
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ブルックナー:交響曲第5番

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ヴァント(ギュンター)
BMG JAPAN

価格(new/used): 2,352 円 / -- 円 より
発売日: (2006-12-06) アマゾン売上ランキング: 6386 位
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収録曲のリスト
  1. 交響曲第5番変ロ長調 (WAB 105)[原典版] 1.Introduction:Adagio;Allegro
  2. 交響曲第5番変ロ長調 (WAB 105)[原典版] 2.Adagio:Sehr langsam
  3. 交響曲第5番変ロ長調 (WAB 105)[原典版] 3.Scherzo: Molto vivace (schnell);Trio:Im gleichen Tempo
  4. 交響曲第5番変ロ長調 (WAB 105)[原典版] 4.Finale:Adagio;Allegro moderato
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 2件

世界遺産級
ギュンター・ヴァント(1912〜2001)は理知的指揮者の最右翼である。大学で哲学と数学を学んだという経歴からもそのことは容易に伺える。老巨匠が非常に尊ばれる日本でも晩年非常な人気を博した。ほとんど神格化されていたと言ってもよい。
しかし、その音楽に共感しえた人はどれほどいただろうか。私には理解できないことがほとんどだった。この人の音楽を理解するためには、スコアが読めるだけの音楽的素養が必要である。専門家でなければ、その音楽のすばらしさを理解し、納得することは非常に難しいといえる。
ジュリーニのレビューで、ブルックナーに機能美、徹底的に情緒を排した、精密な構造体としての美しさを求めると書いた。その点、ヴァントは最もはまり役といえる。しかし、繰り返しになるが、私はこの人のブルックナーを十分に理解することはできなかった。そこで、この人のブルックナーを大々的に薦めることはできない。単に人気があるからといってこの人の音楽を無責任に薦めることで、多くの人がクラシックにつまづくことを恐れるからである。
ただ、この第5番だけは貴重な財産になりうる一枚である。ヴァントの第5番は数枚録音があるが、選ぶべきはこのベルリン・フィルとのライブ録音である。ほかのCDには安全のため、とりあえず触れないほうがよい。
ブルックナーはテンポを落とし、堂々と進めるのが一般的であると思われている。しかし、この演奏は相当に速いテンポで進められており、非常な爽快感がある。ただ、決して小さくまとまっているわけではなく、その点第5番がブルックナーの全交響曲の中でも最も壮大な音楽であることが実感していただけるだろう。
ブルックナーは冗長で退屈である、という人は多い。実際クラシックファンの間でもかなりな嫌われ者である。確かに90分も聴かされれば飽きても仕方がない。そこで、冗長・退屈さのゆえにブルックナーを敬遠する人にこそこのCDを薦めたい。オーケストラは世界一の技術を持つといってもいいベルリン・フィルである。オーケストラの技術とは何かを理解するためにもお薦めできる一枚である。
録音がホンマ、ゴツイです◆晩成ヴァントを少し見直したですがな
人生いろいろで、華やかなスター指揮者とちやほやされても、没後は上っ面をなぞる音楽職人に過ぎない、と忘れ去られる方もある中で、このヴァントはん、ベーム(この人は没後ますます評価が高いですけども)の専らフィルアップ(B面扱いで、序曲やシューマンの短い交響曲を入れはっとった)で軽く見られとった。晩年にメジャーになりはっても、彼のブラームスとか聴いて、何かテンポが急にそわそわしたりして、尻軽な感じで好きになれんかったです。

ほいで、何ですか、このゴツイ録音は!立体分離はこの上なく、チューバやコントラバスの低域から弦合奏やトランペット、フルート等の高域に至るまで極めてクリアです。最近わては、シカゴでのライナーのRCAでの録音を聴いて、現代の録音テクノロジーに懐疑的になっとったんですが、この録音なら文句ないですなあ。デノンピュアCD最終の1650プレーヤー、B&W縦長スピーカーでの再生。ベルリンフィルハーモニーホールのよさで、反響まで豊に聴き取れます。

第一楽章。泰然としてそわそわしたところなど微塵もなく、ベルリンの機能的なソロや合奏が実に生きとる。ともすると、退屈でもある曲ですけども、響きをCDから聴き取れることで、ライブその場でいるようで、まったく退屈させん。わての大好きなジュリーニのウィーンでの2, 7, 8, 9番の録音より、音質は上です。

第二楽章。さざめくように叙情的な弦合奏をバックに、木金管が敬虔でやわらかな響きがエエですなあ。第三楽章は曲の白眉のスケルツォと思うて居りますが、フルートとヴァイオリンが行ってくるところでそわそわした尻軽な悪いクセが一寸出とります。

終楽章。これまた実に長く、度重なる繰返しがこの原典版でも聴かれますけども、ホールの反響がつぶさに伝わり、楽章出だしのシンフォニックなフレーズがその場感覚で楽しめます。思うに、CDでブルックナーが退屈になるのは、録音のせいが大きいんちゃうかな、と思います