ノスタルジア~ヨイトマケの唄

米良美一2005-09-07 - キング 価格 ¥ 2,255
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ノスタルジア~ヨイトマケの唄

米良美一
キング

価格(new/used): 2,255 円 / 1,480 円 より
発売日: (2005-09-07) アマゾン売上ランキング: 4303 位
CD / 通常1~2週間以内に発送
収録曲のリスト
  1. PRELUDE~Moritato
  2. ユーカリ(ワイル)
  3. スラバヤ・ジョニー(ワイル)
  4. 20世紀のブルース(カワード)
  5. 死んだ男の残したものは(武満徹)
  6. うたうだけ(武満徹)
  7. ぽつねん(武満徹)
  8. ヨイトマケの唄(美輪明宏)
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 5件

「ヨイトマケの唄」の最もリアリティに満ちたカバー
美輪明宏さんが65年に発表した我が国メッセージ・ソングの草分けにして最高作「ヨイトマケの唄」は、長年の間理不尽な理由による放送禁止の憂き目に遭ってきましたが、21世紀になってようやく再注目されるようになり、幅広いジャンルのアーティストによってカバーされるようになりました。

その中でも最もリアリティに満ちたカバーの白眉といえるのが、この米良美一さんのヴァージョンです。彼はまさに、この歌のような人生を歩んで来たのです・・・幼い頃から壮絶ないじめに遭い、肉体労働の母親に支えられ。この歌の作者である美輪さんですら昔はいじめる側だったといいますから、実際にこの歌のような経験をしてきた人は、本当に極く少数なのでしょう。

米良さんのこの歌は、従来の美しいカウンターテナーのイメージを打ち破る、大変生々しくも人間的な歌声となっており、それが聴く者の胸を揺さぶります。特に一番の「土方」という言葉に非常に気合いが入っており、この言葉が原因で放送禁止にされていたことへの怒りが湧き上がります。

彼は「もののけ姫」で有名になった後も各方面から手酷い仕打ちを受け、一時は歌を歌うこともできなくなっていたのです。そしてこのCDをリリースした今もなお、心無い者による彼への不当な嘲笑や罵倒は続いているのです・・・イケメンばかりを持て囃し外見至上主義に溺れきっている今の日本人は、「ヨイトマケの子供」をいじめぬいてきた糞餓鬼共と全く同じなのです。

米良さんにはこれからも、周囲の雑音にめげずにこの「ヨイトマケの唄」を歌い継いで欲しいものです。
カウンター・テナーとして云々よりも・・・、
強烈な唄ごころ。
 以前そうだったような、鶯の声のような美しいアルバムではありません。
 くたびれきった声、米良さんは歳をとりました。でも、それは成熟でも
あって、最終曲でとても前向きなメッセージを残してくれます。
 
やっと手に出来た、ずっしりと重みのある一枚です
もうもう何年こんな日が来るのを、待った事でしょう…
もののけ以来、彼が壊れて行くのが辛くて悲しくて、これだけの稀有の才能がただ消費され、浪費されて行く事に、ただただ喪失感を感じていた何年かが、一気に報われた思いです(涙)

ひとつひとつが大切に歌い上げられた、ほんとうに聴き応えのある、ずっしりとした重みのある一枚でした。
前作がアレンジも伴奏も選曲もやや欲張りすぎな感じで、薄まってしまい、イージーリスニングの域をでない物になってしまったのに対して、今作は本当に渾身の作。伴奏もアレンジも、そして珍しく装丁も?本当にシンプルで彼の歌の素晴らしさの本質が、真直ぐに伝わってきます。

特にテノールでじっくりと歌い込まれた「死んだ男の残したものは」と「ヨイトマケの唄」は、その詩のもってる世界の中に、物凄い引力で惹き込まれて、思わず息をのんで聴き入って、気がつくと止めどなく涙が流れ出てしまう…そうそう、これこそ米良さんなんですよね…

タンゴやジャジーな曲もそれぞれを単にそれらしく、小奇麗にまとめるということでなく、なによりも詩から受けたインスピレーションに素直に反応して、彼なりに練り上げて、全身全霊で表現されてるように感じられるのも本当に新鮮で嬉しい。そんな姿勢に自信すら感じられるのがさらに嬉しいです。

古楽のカウンターテナー歌手=米良さんにこだわる方には無理に薦めませんが、心底、米良美一という歌い手に惚れ込んで、その復活を願っていた方でしたら、是非、聴いて下さい!
ほんとは今後への期待を込めて、☆4.5にしたかったのですが、そんなのないんですね(笑)でもどう考えても4にはできないのでやっぱり☆5つです!

待望の「ヨイトマケの唄」が出てうれしいです!!
私は、米良さんのファンです!もののけ姫の頃からのファンですが、米良さんには不調な時期もありました。以前は頻繁にでていたCDもあまり出なくなりました。ずっと心配していましたが、去年近くのホールでリサイタルがあり、行って見たところ、見事復活されていました。内面的にもさらに成長されたと思います。そのリサイタルのアンコールで歌われたのが「ヨイトマケの唄」。カウンターテナー唱法ではありませんが、大変心を打たれました。この唄に対する並々ならぬ思いもひしひしと感じました。私もそうですが、米良さんはヨイトマケなど知らない世代。おしゃれな曲があふれる時代にヨイトマケとは驚きですが、苦労を知らない若い世代の皆様にも是非聴いていただきたい曲です。こういう内容の曲は下手をすると陳腐なお涙頂戴の安っぽい演歌になってしまいますが、数々の芸術歌曲も歌っている米良さんが歌うことにより、どんな歌曲にも勝る芸術性さえも感じさせてくれます。もちろん涙が出て仕方ありません。以前、テレビで美輪明宏さんが歌っているのを聴いて大変感動を覚えたのですが、作曲者である美輪さんの精神が受け継がれていると感じます。
このアルバムではオンドマルトノなどの珍しい楽器も使われていますが、谷川俊太郎の詩、武満徹の作曲による「ぽつねん」では鍵盤ハ-モニカが使われています。小学校低学年で使用することの多いこの楽器、お世辞にも芸術的には思えなかったのですが、アコーディオンのような素敵な響きでした。この楽器、娘たちももう使いそうにもないので処分しようかと思っていましたが、自分でもあのように演奏してみたくなりました。そしてこの曲・・・、もう身体の自由も利かず、孫の姿さえ朧にしか浮かんでこない高齢のおばあさんの孤独な思いがユーモアの中にも皮肉を伴って表現されています。
他の作品でもそうですが、米良さんという人は言葉にこだわった演奏をします。何語であっても、母国語のように自分のものとなった発音であるし、それが今回のような現代の作品であっても、モンテベルディのような古楽であっても、「言葉に色気を感じさせることが出来る」稀有な存在の人である、と信じています。
暗い歌が中心ですが
新しいCDに収録されている曲は、明るい歌はあまりありません。

収録されている日本の歌のテーマは、リストラ、DV,幼児虐待、戦争、高齢女性の孤独など、世相を歌った歌が中心です。
しかしラストの曲のヨイトマケの唄を聴くと、それでも頑張って生きていこう!という元気が沸いてきます。

海外の歌は、ナチスの魔手を逃れてパリに亡命したクルト・ワイルなど、
第二次世界大戦前頃の曲が含まれています。
ちなみに、私のイチオシの歌は、2曲目のユーカリ。
戦争の中、どこかに理想郷を求める人々の心や、どことなく殺伐とした慌しい1920~30年代のワイマールやパリの雰囲気を感じることができます。

暗い歌が中心ですが、心を潤してくれる聴きごたえのある曲ばかりです。
「澄んだきれいな声」だけでない、低音の魅力から、カウンターテナーの伸びやかな声まで、充分に堪能できます。