アイドルとアーティストの分かれ目
今作はアイドルPOPSではない。アーティスト系音楽に分類されるが、人々から共感を得るには些か力不足の感が否めない。そんな微妙な位置の音楽である。しかし、だからこそ評価できる面もある。アイドルPOPSにはない心に残る何かがあり、他のアーティストと比較し、それが何であるかが非常に判りやすいということである。アイドルPOPSとアーティストPOPSの一番大きな違いは、主張すべきことを主張しているかということと筆者は考える。彼女の主張していることは、人々を感銘や驚嘆させるほど優れているわけではないが、その感性に心地良さを感じることができる。この嫌味のなさはアイドルであることから生まれていると思われ、それが特筆すべき点と言えるだろう。
タイトル曲のなかに『一緒に予告だけ観た映画!~』というフレーズがある。この曲全体的には締まらず、曲を聴いただけでは心に残らないが歌詞を見ながら聴けば、彼女の感性に容易に触れることができるだろう。
今作には“これで最後かも”という気概を感じる。お世辞にも売れていると言い難く、その危機にあると言える。ただ、説教じみたアーティストやかわいいだけのアイドルの曲よりも聴いてみたいと感じるので、次作を聴きたいと願っている(このような理由で評価に下駄を履かせています)。