R.コルサコフ:シェエラザード

ゲルギエフ(ワレリー)2002-07-24 - ユニバーサル ミュ... 価格 ¥ 2,371
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R.コルサコフ:シェエラザード

ゲルギエフ(ワレリー)
ユニバーサル ミュージック クラシック

価格(new/used): 2,371 円 / 1,100 円 より
発売日: (2002-07-24) アマゾン売上ランキング: 8887 位
CD / 通常24時間以内に発送
収録曲のリスト
  1. 交響組曲「シェエラザード」op.35(リムスキー=コルサコフ)
  2. 交響詩「中央アジアの草原にて」(ボロディン)
  3. イスラメイ(バラキレフ/リアプノフ編)
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 19件

厚化粧で肉感的、だが絶世の美女ではない
当代きってのロシア系カリスマ指揮者ゲルギエフがロシアのオケを振って、ロシア国民学派の大物リムスキー=コルサコフの代表作を録音したということで、大いに期待したCD。だが、正直言ってがっかりした。「その濃厚な表現は不気味なほど」などという宇野功芳氏のコメントを引用したキャッチ・コピーも、宇野氏独特の独断と偏見に満ちた大げさな表現とレコード会社の売らんかなの商売っ気しか感じない。管弦楽法の大家として知られるリムスキー=コルサコフの最高傑作とも言うべき『シェエラザード』(もしくは『シェヘラザード』)は、やたらと豪快で濃厚な演奏が多いが、この曲は『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』を題材にした作品で、絢爛豪華な物語であると同時に美しさや色気といったものが感じられないとお話にならない。シェエラザードは、単なるケバい女ではなく、才気煥発で心優しい美女なのだ。その意味で、ひたすらオーケストラを鳴らしまくったような、豪快だが単調な、濃厚過ぎて繊細さのかけらもない演奏よりも、豪快なところは豪快に演奏しつつも、ヴァイオリン・ソロなどの部分で繊細さや色気のようなものを感じ、美しさに酔える演奏の方がこの曲にはよいと思う。その意味で、これまでに聴いた中で最もよいと思うのは、豪快さと美しさを兼ね備えたコンドラシン/RCO盤だ。シェエラザードは、その話の魅力で暴君にその先を聞きたいと思わせて命永らえると同時にその暴君を改心させるのだが、コンドラシン盤は、まさに聴き出した途端その魅力の虜となりその世界に引き込まれて一気に最後まで聴いてしまう、何度聴いても飽きない名演である。始まってすぐのクレヴァースによるヴァイオリン・ソロも、繊細で甘美で、聴く者を夢見心地に誘う。それにひきかえ、このゲルギエフ盤は、たしかに豪快で濃厚かもしれないが、美しさはあまり感じない。見るものを夢見心地にするこの世のものと思えぬ絶世の美女というよりも、厚化粧で肉感的だが美女とは言いがたい、アメリカの低俗雑誌やB級映画に出てくるありがちなセクシー女優の写真を見ている感じと言ったらいいだろうか。なお、コンドラシン盤以外では、作曲された当時の楽器で当時のようなノン・ヴィブラート奏法で演奏したインマゼール/アニマ・エテルナ盤も、しばしば厚化粧で塗り込められてしまうこの曲の本来持っている繊細な美しさを引き出していてすばらしい。楽器や奏法や編成の違いを超えて、コンドラシン盤に近い魅力のある演奏だ。まだこの曲を聴いたことのない人にはファースト・チョイスとしてコンドラシン盤を、このゲルギエフ盤で初めてこの曲を聴いたという人には、ぜひコンドラシンとインマゼールの演奏のどちらか、もしくは両方を、聴いてみてもらいたい。
インパクト大!
私にとっての初ゲルギエフCDでしたが、彼ならではという感じでした。ただ1つ難点なのが全体的に音色が曇ったトーンに仕上がっている点です。特に弦楽器パートの音が他の演奏とはだいぶ鳴り方が違うなという印象を受けました。小澤・シカゴ響(EMI)の演奏のような、ピュアで透明度の高い音色のシェエラザードを聴きたい方にはお薦めできません。ただ、それを圧倒する程のうねりや4楽章のノリ、トータルの完成度は一聴の価値ありです。
極彩色
極彩色の音の魔術,本学曲にもっともふさわしい名演なのだ,というのが世間一般の評価だと思います.しかし,全曲を聴きとおすのは拷問に近い.やはりコンドラシンの最美な演奏が好きです.
秀演ですが二番煎じです
とても優れた、面白い演奏です。ロシア情緒に溢れ、ゲルギエフのエネルギッシュな指揮振りも目に浮かぶようで、とても臨場感のある録音です。でも、基本的には、打楽器と弦・管楽器のバランスを整えた以外、基本的な構造・解釈はフェドセーエフ(ヴィクターの録音版)の解釈と酷似しています。ヴァイオリン・ソロの演奏スタイルは多少違いますが、テンポ設定やアーティキュレーションの指示などは、そっくりです。ゲルギエフの、この演奏を先に聴くと、いかにも、この演奏が他の演奏家の演奏と格段に異なっているように聞こえますが、ぜひ、フェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団の演奏を聴いてみて下さい。

あくまでも、「似ている」ことを指摘しているもので、ゲルギエフの演奏の価値を否定しているのではありません。この演奏は、これで優れていることに間違いはありませんし、私も好きです。でも、この解釈が「突然変異」のように、いきなり現れたものではないことを指摘させていただいているだけですので、誤解のないように、お願いします。
「シェエラザード」の演奏史に新たな地平を切り開いた、鬼才ゲルギエフの圧倒的名演!
私は、今回、「シェエラザード」のレビューを書くにあたって、このゲルギエフ盤の外に、現在、名盤といわれているものの大半、具体的には、プレヴィン、オーマンディ、デュトワ、小澤、コンドラシン、チェリビダッケ、ストコフスキーの演奏を改めて聴いてみたのだが、やはり、ゲルギエフの演奏が、群を抜いていると思う。ゲルギエフは、この曲の演奏史に、新たな地平を切り開いたといっても過言ではないのではないだろうか。 

ゲルギエフの演奏は、出だしから、極めてユニークだ。極端に遅いテンポで、威嚇的で力強いシャリアール王の主題と、なまめかしいシェエラザードの主題を、見事なコントラストで呈示しており、曲の表情が、他の指揮者とは全く異なっているのだ。私などは、あまりの違いに、「他の指揮者とは違う楽譜を使っているのか?」と、思わず、冒頭部分を聴き直したほどなのだ。この第1楽章や、圧倒的な臨場感に溢れる怒涛の第4楽章は、まさに、鬼才ゲルギエフの独壇場だ。 

このゲルギエフの極めて振幅の大きい、ロマンティックで濃厚な演奏の後に他の指揮者の演奏を聴くと、どれも平板に聴こえてしまう。唯一、ゲルギエフに負けない濃厚な演奏をしているのが、往年の名盤中の名盤、ストコフスキー指揮ロンドン響盤なのだが、繊細な表情を兼ね備えているという点では、ゲルギエフ盤が1枚上手だろう。 

ゲルギエフやストコフスキーのような「濃厚過ぎる演奏はどうも」と思われる方には、オーマンディ指揮フィラデルフィア管盤、チェリビダッケ指揮シュトゥットガルト放送響盤あたりが、メリハリ豊かで、ほどほどの濃厚さも湛えており、お勧めだ。プレヴィン指揮ウィーン・フィル盤、デュトワ指揮モントリオール響盤、小澤指揮ウィーン・フィル盤は、美しく磨き上げた洗練された演奏ではあるのだが、知的抑制力が勝って、表情が淡白なところがあり、聴いていてあまり面白い演奏とはいえない。