シューマン:交響的練習曲

ポリーニ(マウリチオ)1990-11-25 - ポリドール 価格 ¥ 2,366
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シューマン:交響的練習曲

ポリーニ(マウリチオ)
ポリドール

価格(new/used): 2,366 円 / 1,200 円 より
発売日: (1990-11-25) アマゾン売上ランキング: 89078 位
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収録曲のリスト
  1. 交響的練習曲op.13
  2. アラベスクop.18
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 3件

クリスタリックな苦悩
これほど明るく澄み切った音色と明快なタッチでシューマンの精神的な葛藤や苦悩を赤裸々にした演奏も珍しい。曲を追って沈潜したメランコリーや不安と期待、愛らしい抒情が交錯し、またそれは終曲で英雄的なシンフォニーに変貌する。それはシューマン自身の心情の起伏を、エチュードの名を借りたそれぞれのヴァリエーションに託して告白しているかのようだ。彼がバッハの音楽から学んだとされる対位法が曲中に頻繁に用いられ、作品を彫りの深いものにしているのも特徴だ。ここでもポリーニの楽曲に対する読みは深く、個々の曲の性格描写にむやみに囚われることなく、全体の構成を踏まえた堅牢な造形美を表現している。この方法によって第9曲と第10曲の間に挿入された5曲の遺作が自然に統合され、少しも違和感を与えていない。アラベスクは飾り気のない全くの自然体で演奏されているが、そこにシューマン特有の拭いきれない憂鬱がさりげなく感じられる。
静かなダイナミズム
1981年ミュンヘン・ヘルクレスザールにて録音。
この演奏はポリーニ2枚目のシューマンである。1973年4月にポリーニは最初のシューマン録音としてピアノ・ソナタ第1番嬰へ短調作品11を選んでいる。以来8年間ポリーニはシューマンを封印し、このレコーディングに臨んでいることになる。
ポリーニは過去にもこういう封印を行っている。1960年、弱冠18歳にして第6回ショパンコンクールを満場一致で完全制覇し その時、審査委員長を務めていたアルトゥール・ルービンシュタインが彼を評して、「技術的には 私たちの誰よりも上手い」と絶賛したにもかかわらず、すぐにデビューをせず約10年後にショパンのエチュード演奏という信じられないような演奏を具現化してみせたのだ。つまり、ポリーニは自らの最初のシューマン録音であるピアノ・ソナタ第1番嬰へ短調作品11が納得がいかなかったのだろう。

ここでのポリーニは確かに前回の録音より静かなダイナミズムに溢れている。そしてそれはショパンのエチュードやストラビンスキーのペトルーシュカのダイナミズムではない。

最近ポリーニは集中してシューマンをレコーディングしている。それがまた面白いと思う。

完全たるポリーニの熱演
ショパンコンクール後世間から遠ざき、ひたすら自己の完璧たる技術の鍛錬に精を尽くした天才ポリーニ。そしてその結集として生まれたのがショパンの12の練習曲やシューマンの交響的練習曲だ。ちりばめられた数々の難技巧はポリーニが間違えなく習得し、蓄積された真の芸術性が見事に開花された完璧なる演奏である。コンサートホールで聞いているような透き通った瑞々しい音質にドラマティックな演出で聞く者に様々なインスピレーションを与える。併録の佳品アラベスクはポリーニならではの極め細やかさ。