ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント2008-08-20 - ウォルトディズニー... 価格 ¥ 3,416
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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント

価格(new/used): 3,416 円 / -- 円 より
発売日: (2008-08-20) アマゾン売上ランキング: 435 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 10件

肌に合わない
ポール・T・アンダーソン監督。
この人の作品は、ワタシの肌に合わない。
『ブギー・ナイツ』も『マグノリア』もダメだった。そして再び今回も・・・。

この監督の作品は、どれも、いつも、主題に魅かれて観ることになる。
そして、作品の中盤から後半入口までは、かなりの高揚感を持ってその世界に引き込まれている。
が、そこまで。
いつも終盤で大きく落胆する。

文章での表現は難しいのだが、なんというか
『そう持っていく最期なら、なにも最初からこの設定じゃなくて良いのでは?』とか
『えっ? そんな最期なの? そう終わりたいなら、今迄の描写は半分くらいの時間で済むんじゃぁ・・・』とか感じてしまう。
もうこれは致し方ないことであろう。ワタシと監督の感性の違いだから。
そして、監督はこれらが最善のエンディングだと信じて完結させている訳だから。

物語中盤までは非常に魅力的な話であるが、それだけに(ワタシにとっては)終盤での落胆が本当に大きい。
名優頼みの正攻法
 正攻法だ。古き良き時代の安心感がある。小手先のテクニックや思わせぶりなカットは皆無で,カメラはひたすらにダニエルを追う。
 さすがは名優,一人で映画を背負うことができる。共演の牧師役が力不足でなければと個人的には悔やむ(エドワード・ノートンではいかが)。
 良くも悪くもデイ=ルイス頼みの映画である。彼は共演者のレベル次第で,輝きの色を変えるように見える。デ・ニーロ,パチーノとはそこが違うと思う。ダニエルには魅力的な共演者をぶつけて,競演させることで映画のパワーが倍増するように思うが。
石油屋の物語
山師?人間石油屋を描く。富を求め、人として破滅する。
アメリカがそこに在るのか。
ただ、宗教との関わりに、そこまで描いてよいのか?と思ってしまう。
破滅の物語は、重苦しい余韻しか残してくれない。
人間模様を描く傑作


主人公の環境や状況が移り変わるたび、内面・自我が徐々に変化し、次第に表面化していく演出は「素晴らしい」の一言! また、それをダニエル・デイ・ルイスが見事に演じきっています。石油を中心に周りの人間達が蠢き翻弄されていく様が丁寧に画かれており、人間模様を描いた傑作といえるのではないでしょうか。劇場で観終わった後、数日は腹の中にこの映画の何かが残っていました。ストーリーのスケールを考えると時間は短く感じます。

ポール・トーマス・アンダーソン監督について、ロバート・アルトマン監督が引き合いに出されますが、この映画に関してはスタンリー・キューブリックを連想しました。オープニングシーンで「2001年宇宙の旅」を、各シーンの絵の決まり方や(「バリーリンドン」)、ラストの部屋(「シャイニング」のホテル)など、ストーリー展開などで端々にキューブリックの影響を見いだせます。
石油つながりの偽家族
この映画は、マスコミが宣伝しているような欲望ギラギラの愛憎劇ではけっしてない。天涯孤独な男が抱く<家族への渇望>がテーマとなっており、ある意味ビスコンティの『家族の肖像』に限りなく近い作品なのかもしれない。冒頭の三つの山を背景に鳴り響くサイレンのような音は、血のつながっていない偽家族が奏でる不協和音にさえ聞こえてくる。

家族の肖像画のコレクションや子供時代の幸福な夢を老教授に見せることによって、ビスコンティが主人公の孤独や家族への憧憬を演出したのに対し、本作品においては息子を爆発事故から救出したり、家族の悪口をいう輩に腹を立てたりする程度のたわいもないエピソードの羅列が散見されるだけ。石油王たるビジネスマンとしての側面を持つプレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)が、偽息子や偽弟をビジネスに利用したりするので、プレインビューが本当に家族を欲しいと思っているのかが観客にうまく伝わってこないのだ。

本作品には、第3の啓示と名乗る新興宗教を司る怪しい神父イーライ(ポール・ダノ)が登場するのだが、このプレインビューの対極に位置するキーパーソンになぜこんなオーラのない役者をキャスティングしたのかがはじめは疑問であった。しかし、パイプライン敷設権欲しさにプレインビューが洗礼を受けたことによって兄弟となった神父を、偽家族の一員として若干幼く描く必要が演出上あったことが後になってわかった。

弟を名乗って現れた男が消え去り、HWがライバルとなって自らの元を去ったプレインビューには、どうしても確かめたいことがあったにちがいない。それは、石油事業への投資を持ちかけてきた、宗教上の兄弟であり、かつ山師という意味では同じ職業といえるプレインビューの分身イーライに流れる<血の色>。<ボウリング>のピンによって砕かれた頭蓋から流れる、まるで石油のようにドス黒い血を見た時、自分の周りにいた偽家族が<石油という利権>によってつながっているだけで、本当の血族にはけっしてなれないことを悟ったのだ。