ヒトラーの贋札

東宝2008-07-11 - 東宝 価格 ¥ 3,075
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ヒトラーの贋札

東宝

価格(new/used): 3,075 円 / 2,699 円 より
発売日: (2008-07-11) アマゾン売上ランキング: 8758 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 12件

『大脱走』以上の迫力、敵国の偽札を、ユダヤ人に作らせる。
戦争とはいかなるものか。
敵国の偽札を大量に作り、敵国の経済状況を混乱させる。偉大な独逸の戦術。完璧な偽札を大量に作る。しかも「優秀なユダヤ人」にさせる。
独逸のユダヤ人収容所。ユダヤ人の内部分裂も計算済み。
主義主張が異なる者たちの集団
独逸を敗北させる闘いでもあった。
それをまとめ上げたボスは偉大。
このグループをまとめ上げるボスは大物でないと駄目。
ボスを演じるはカール・マルコヴィックス。かほど渋い男は観たこと無し。
見事。英国のポンド札は完成。次は米国のドル札であった。。

独逸の敗戦後、彼が偽札を博打場で全てつかった。
偉大な男を抱きしめる女がいた。女のミスがこの男をかような運命にさせたのだ。
彼はふてきにも「偽札を作る」いう。今度はおのれのために。

もし、実話なら凄い話しである。
当時その場所にいた人間たちの気持ちが知りたい
 当時のナチスドイツの様相や収容所のリアルな情景により、その時起きていたことや悲惨な現実は生々しく伝わってきました。しかしアカデミー賞という言葉に誘われレンタルで借りて観ましたが今ひとつ物足りなさがありました。贋札を作ることで苦しむ同胞がいる。贋札を作ることを続けるか葛藤するユダヤ人たちとそれを強制するナチスドイツ。ユダヤ人たちの気持ちをもっと描いてほしかったというのが正直な感想です。史実に焦点を当てすぎて完全な史劇となりドラマが少なかったのが心残りです。
正義とエゴ、生と死
憎いナチスに加担することで自らの命を守るのか
それとも自らの正義を貫くのか

物語の大筋としてはこのような感じだが、作中のユダヤ人のほとんど全員が前者を選択(本当に選択したのかは分からないが)する中、印刷技師ブルガーは後者の道をとった。やがてその態度は仲間の命を危険にさらすことにもなるが、本当に彼のとった態度は「正義」であったのか?もちろん、反ナチスの広告を配っていたことでつかまり、妻をアウシュビッツで殺された彼にとっては、ナチスは紛れもない悪であり、自らは正義であったに違いない。しかし、その一貫した正義の心は、周りの者からしてみれば自らをも巻き込みかねない厄介なもの程度にしかうつらない。そうなったとき、正義は正義ではなく、ただのエゴイズムに変わってしまうのだろう。それぞれの人の立場によって正義などいかなる形にも姿を変えるものだが、自分の信じたものがそのような見方をされるとは、何とも皮肉なものである。
ただ、結果的にブルガーの態度がドイツ敗戦に間接的な影響を及ぼしたわけだが、彼が最後に流した涙はやはり生きていることへの喜びを表していたのだろう。自らの正義を主張し続けた彼だったが、やはり心の中では生と死との間で葛藤があったのだと思う。
そして、この作品の主人公である贋札造りのプロ・サリーもそうだ。ただ彼の場合は、ブルガーと違って正義とエゴの違いを理解していた。彼がブルガーのような正義をもっていたことは、ナチスの少佐を攻撃したことや、カジノで贋札を狂ったように使ったことからも明白だが、そうした違いがあったのだ。

正義とエゴの違い、生と死の葛藤などをうまく描いた秀作であると思う。
マルコヴィクスという名前を覚えておこう
ナチスの強制収容所が舞台だから、極限状況の中で人はどう振る舞うかというドラマになるのはある意味常套的。ただこの極限状況にいるという事態を自分たちが認識するまでの課程がちょっとかわっている。

当初、主人公たちは、自分たちが作った偽札がばれなかったことを知らされて大喜びする。この時点で彼らには自分たちの行為がナチスへの協力だとは気づいていないし、見ている方も、「偽札が気づかれなくてよかった」と思う。しかし彼らは徐々に偽札がばれなかったということはナチスのために働くということだと気づいていく。これに対して彼らは密かなサボタージュでナチスへの協力という負い目をぬぐおうとする。しかしナチスの責任者はサボタージュに気づく。

殺されてもナチスへ協力するのはいやだというか、それとも自分が生きるためにはそれも仕方がないと考えるか。

殺されても協力しないとつっぱるブルガーの造型はやや平板。主人公のソロヴィッチは贋金作りの犯罪者でありながら、自分の立場に対する苦悩やロシアから連れてこられた若いユダヤ人への友愛をうまく表していた。カール・マルコヴィクスというオーストリアの俳優らしいが、顔立ちもなかなか魅力的だった。

この手の映画はナチス側をどう描くか、どれぐらい陰影のある人物を登場させられるかという点も重要だと思う。この意味では本作のヘルツォークというナチ高官の造型はいまひとつと感じた。自分のナチスの一員として、あるいは子供を持つ親としての立場をあからさまに台詞で説明してしまうのは、当時のドイツ人の自己弁護のように感じてしまうのだが。。。
音楽の使い分け方がウマい!
この作品はナチスドイツ政権下で行われた史上最大の紙幣偽造事件を描いたもので、ベルンハルト作戦と呼ばれ、有能なユダヤ人技術者達がその作戦に従事させられていました。
ナチスの目的は大量に偽造したポンドをイギリスにばらまき、経済を破綻させることでした。
結果、イギリス経済には予定流入外貨の4倍に当たる約1億3200ポンドがばらまかれました。
彼らの作った贋札は、スイス銀行、イギリス銀行の審査を通るほど精巧な作りだったと言われています。
これに味を占めたナチスはドルにも手をつけ始めました。
しかし、ここからユダヤ人技術者達の勇気ある静かな反抗が始まります。
順調に偽ポンドを作り上げた彼らでしたが、偽ドル作りに関しては徹底して「技術的な問題』という理由で完成を遅らせていたのです。
結局、偽ドルは完成には至らず、資本も資源も底をついていたナチスはそのまま降服し、戦争は終結したのでした。


とまぁこんな感じの話で、作品中は紙幣偽造の主任を任されたソロヴィッチ(紙幣偽造のプロ)と印刷工のブルナー(この作品は彼の証言により描かれている)の葛藤を中心に描いている。
自分たちが贋札を完成させることで戦争は長引き、また同胞を裏切ることとなる。かといって完成させなければ殺される。
この状況下で、偽ドルの完成を遅らせることがいかに困難な行為であったか、そしてこの行為がナチスの降伏に影響を与えていると言う事実。
その歴史の裏に隠され続けていた彼らの勇気ある行動に、「ここが巧」です。