ONCE ダブリンの街角で デラックス版

ジェネオン エンタテインメント2008-05-23 - ジェネオン エンタ... 価格 ¥ 2,956
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ONCE ダブリンの街角で デラックス版

ジェネオン エンタテインメント

価格(new/used): 2,956 円 / 2,480 円 より
発売日: (2008-05-23) アマゾン売上ランキング: 1899 位
DVD / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 16件

パンクなONCE
パンクは美しい。その命は刹那で終わってしまうのに、その時間のなかで燃え尽きる命はどこか哀しげなのに美しい。

ピストルズが今の時代にも影響を与え続けているのは、彼らは刹那を百の力で生き抜いたからである。映画『ONCE』もパンクに通ずる儚さと哀しさ、そして美しさに溢れている。今日という日も、今この一瞬も一度きり。人生はそういった、小さな刹那という時間の連鎖でできている。そのなんてこともない刹那をひとつひとつ丁寧に切り離した途端、それはテレビドラマよりも輝くひとつの物語となる。

主人公はストリートで歌うミュージシャン。そこである女性と出会う。彼らは雨の降り始めのようにぽつぽつと、しかし、着実に惹かれあっていく。そこにパンクのような激しさはないけれど、彼ら自身の音楽でその限られた時間を埋めていく。この作品のなかで歌われる音楽は、ただの台詞よりも多くを語ってくれている。この映画に音楽は不可欠なのだ。永遠を誓うことのないふたり。しかし、ふたりの哀しく切ないほんのわずかな時間はほかのどんなものより輝く。刹那を輝かせることができるなら、永遠を輝かせることができるのだと、私はそう信じたい。
スピルバーグ絶賛の低予算ムービー
あのスピルバーグ監督が「1年分のインスピレーションをもらった」と言ったほどの秀作です。予算が10万ユーロ(約1600万円)程度だったということでマイケル・ムーアのドキュメンタリーのような映像ですが、ミュージカルと呼んで良いぐらい全編にオリジナル音楽が流れています。ストーリーは2人のミュージシャンの出会いの話なのですが、お決まりのフォール・イン・ラブでないところがこの映画のすばらしいところ。ラストが少しセンチメンタルになっているのが残念ですが、間違いなく今年観た映画の中でナンバーワンです。あと、サントラがめちゃくちゃ欲しくなります。
粗いけど下手じゃない
アイルランドだが、ケン・ローチよりもウィンターボトムの「ひかりのまち」のような雰囲気でハンディカムを回した、でもたぶんそれよりもっと低予算な映画。
ストリートミュージシャンの"guy"と、ピアノの弾けるチェコからの移民"girl"が、互いに音楽を奏でることで、言葉による対話以上に、お互いのうまくいかない人生の空白を埋めあっていく。
どんなジャンルでもいいけれど、音楽が好きな人にとって、音楽があるといろんなことがほんの少しずつうまくいく。ただそれだけを描いた佳作。
作風は非常に粗く、よく言えばドキュメンタリー風。どうやってロケし、どんな編集をしたのか、作ったプロセスが観客にも手に取るようにわかる。そんな素人臭さゆえストーリーを追いながらもメイキングを想像して楽しめる映画だし、ゲリラ的なロケだろうからダブリンの町の雰囲気もよくわかる。
だが、映画の小道具係が用意することはできないであろう穴のあいたギターは、guyが今まで舐めてきた辛酸を多く語っているし、チェコ移民たちがコミュニティをつくって暮らしている風景を短時間で説明できている。決して下手な映画ではない。地味なファッションも素晴らしい。
センスよくまとめようという意思がないし、ストーリーはおとぎ話だ。だが、名前をもたない主人公の、誰でもなく誰でもある感覚を、ダブリンの街の景色とシンプルな歌声が後押しして、映画を見慣れている人ほど不思議と感情移入しやすいのだろう。
海でgirlが言ったチェコ語は何だったのかわからない。わからないのがまたうれしい。
主人公に名前無し、物語だけを語る
 ストリートミュージシャンがある女性との出会いをきっかけに夢を追いかけるヒューマンドラマ。男女二人の主人公に名前が付いてないのを最後のエンドクレジットで気づいてびっくりしました。純粋に物語を語っていて、名前がないのに違和感を感じさせない映画の流れに不思議な感銘を感じました。
 随所に挿入される歌曲は言うことなしの素晴らしさ。そして二人の主人公の心境を語る。セリフとしてではなく歌として二人の心が映し出され、その曲の旋律の美しさに感動します。夢を追いかけるには必ず逆境が訪れるものだと思います。しかし逆境なる壁というものをこの映画はあまり映し出していないです。歌っても全く人が聴いてくれない状況とかバンドのメンバーがみつからないやメンバーとの衝突。自分の目指す道に親が反対するなど。そういうシリアスなハラハラさせる場面がないことで安心して観ることができました。
手作り的な小品でも心に残る作品が創れるという証
主演の二人はプロのミュージシャンで,監督は,グレン・ハンサードと同じバンド(アイルランドの人気バンド,The Flames)でプレイしていたという生粋の“音楽映画”です。
音楽という魔法の小道具が大人のラブストーリーを演出し,この雰囲気にずっと浸っていたいという感じですね。
男性の不器用な感じも,女性の実直な感じも,このストーリーと,この音楽にほどよく溶け込んで,お金はかけなくても感動的な作品ができることを証明しています。

「どうにかなってしまうかもしれない。」
男はきっとそれを望んでいたでしょうし,女性の心も揺れていたと思います。
でもあそこで行かないところが,娘も母親も同郷の隣人も,そして離れて暮らしているとはいえ夫もいる,実直な女性の決断です。
ピアノは男の罪滅ぼしの気持ちなのでしょうか,あるいは,感謝の気持ちなのでしょうか。
ある人と別れ,未練を引きずりながらも,気持ちは少しずつ確実に離れていくのですが,反対に,他の人に惹かれていきます。
そんな複雑な二人の心の動きが,まるで日常のことのように自然に描かれています。
そしてあのラスト,見事としか言いようがありませんね。余韻がヒタヒタとハートに響きます。

本作は,上映当初劇場ではあまりヒットしなかった作品ですが,口コミで“良さ”が広がりました。日本でも,劇場よりはレンタルで人気が沸騰しそうな作品だと思います。