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魚影の群れ [DVD]
松竹ホームビデオ
価格(new/used):
4,699 円 /
-- 円 より
発売日:
(2009-09-26)
アマゾン売上ランキング:
24265 位 DVD / 在庫切れ [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5
/ 総数: 3件
いま観返すと、旅立った方が多い作品だと思う・・・相米監督と言えば、厳しいが若手俳優を育て上げることでは右に出る者がいなかった。本作は相米組のフィルモグラフィーでも「異色」であり、安定感のある俳優が下北半島&増毛を舞台に、まぐろ一本釣り漁に命を賭ける名作である。いま観返してみると、思いのほか「天国へ旅立った」関係者が多いことに気付く。相米監督を筆頭に、緒形拳も夏目雅子も三遊亭円楽もレオナルド熊も下川辰平も今はいない。1950年代の作品ならばいざ知らず、本作は1983年の製作だ。あまりに早世が多いなあ・・・。まあ佐藤浩市も撮影の長沼六男もバリバリ働いているので、天国から応援されているのかも知れないね。北海道・増毛駅前にある富田屋旅館はあまりに風情があるため、わざわざ見に行ってしまったぞ(笑)。ちなみにその際映り込む角の木造建築は、高倉健の「駅」で風待食堂として使用されたところだ。増毛は昭和にタイムトリップしたかのような感覚があちこちに残っており、札幌からだと少し距離があるが、映画好きな方には訪問をお勧めします。本作で凄いのは緒形拳と佐藤浩市が漁船に乗る場面だ。今なら東宝スタジオあたりでVFXで撮ってしまいそうだが、本当に揺れる船での撮影は大変だったろうと思う。佐藤浩市がケガをする場面などは本当に心地悪かった。この二人は続いてP・シュレイダーの大問題作「MISHIMA」でも共演(スクリーン上での共演はなかったが)を果たしている。それと夏目雅子。本当に可憐だったなあ。ああいう「気品があって庶民的」な女優は多分、もう出てこないのでは。特典映像では現在の下北半島ロケ地を巡っている。星は4つです。
日本アカデミー賞最優秀主演男優賞の演技が光る映画の撮影技術で最も基本的なものに“カットつなぎ”があります。様々なシーンをカットとしてつなぎ合わせることによって,瞬時に時間的な経過や空間を表現することができます。
例えば,「家を出るシーン」の次に「目的地のシーン」をつなげれば,移動時間が省略され,その間の出来事は視聴者の想像力に委ねられることになります。
一方,1シーン1カットという手法は,視聴者に臨場感と緊張感を継続させ,視聴者をその時空に引き入れるという効果を持っています。本作の相米慎二監督は,この長回しの1シーン1カットを実に効果的に使用する監督として知られています。
本作では,房次郎が俊一の喫茶店を訪ねるシーンやマグロを捕えようとするシーンにこの手法が使われていますが,違和感はなく,適度の緊張感を保っています。ただ,この手法では役者の力量がかなりのウエイトを占めますので,キャスティングが重要となります。本作では緒形拳がほぼ完璧にこれらのシーンをやり遂げており,役者としてのすごさに感動します。
作品的には“マグロを釣る”という行為自体はあまり意味が無いようですが,相米慎二監督の作品ということになると,この行為は“生死をかけたもの”へと変化します。一瞬にして生から死へと転がり落ちる可能性のあるところで生きる人々,そのような人々を彼は捉えようとしているのです。
本作は,何度か映画化が試みられた末に断念されてきた,吉村昭の原作を相米慎二監督が壮大なスケールで描きあげた傑作で,下北半島最北端の漁港を舞台に,巨大マグロとの死闘に命をかけた男と,ひたすら寡黙に待ち続ける女たちの壮絶なドラマです。
相米慎二の長回しの演出と名優の演技が融合して作りあげた傑作 長回しで、ワンシーン・ワンカットを撮っていく手法は、俳優の演技の途切れなく時間の流れの不自然さがないという意味では映画作家にとって作品の質を高める効果もあるのだろうが、観客にとっては無用な緊張感を強制されてしまう面も持っており、個人的にはこの手法に固執しすぎる相米慎二監督が好きではなかった。
しかし、この作品だけは別格で、有名な緒方拳のマグロ釣りのシーンも含めて、ワンシーン・ワンカットで撮った方が効果的な場面が多いこと、この映画以前の作品ではティーンエイジャーを主人公にしていたが、本作では緒方拳をはじめ佐藤浩市、夏目雅子、十朱幸代など本格的な演技のできる俳優をそろえたこともあって非常に質の高い作品となった。特に夏目雅子の美しさ、緒方拳の男らしさ、佐藤浩市の事故の悲劇性(この場面は凄まじい)が忘れがたい。
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