戸田家の兄妹

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戸田家の兄妹

Cosmo Contents

価格(new/used): 608 円 / 750 円 より
発売日: (2007-08-20) アマゾン売上ランキング: 11077 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 2件

小津監督が描く「細雪」の世界といったところでしょうか?
1941年、戦争前の作品なのに、そんな感じがまったくうかがえません。裕福な家族が、家長の死をきっかけにばらばらになっていくという作品です。
佐分利信、高峰峰子の若いのにはびっくりです。
話の筋は別としても、戦前のお金持ちの生活、 着物が主流の生活、生活の日常がわかります。
女姉妹は4人ですし、「細雪」のイメージとダブリます。ちょうど、谷崎潤一郎が「細雪」をかきだしたのもこのころですので、妙にダブって見ていました。作品がカラーだったら、よかったのにとおもいました。
結婚を迫られる男
笠智衆は、後期小津作品にあっては、『父ありき』以来、『お早う』や『麦秋』
といった作品を除けば『晩春』で代表されるように、一貫して、妻を亡くした
男やもめの役をやっています。
『東京物語』でもこの役柄に忠実に最後に東山千栄子と死に別れることに
なります。
一方、佐分利信は、『父ありき』、『お茶漬けの味』、『彼岸花』、『秋日和』
といった出演作品を思いだしてみれば、小津作品では、結婚して妻がいることが
はっきりとわかる存在です(ただし『父ありき』では、同窓会のシーンで間接的
にそうとわかるだけです)。
このことは、『秋日和』で例の三人組を構成する北竜二が、男やもめであること
や、中村伸朗は『東京暮色』では山田五十鈴とどうみても正式に結婚している風
ではないことから比較しても徹底しています。
この『戸田家の兄妹』の佐分利信は独身ですが、物語の最後に、妹の
高峰三枝子から結婚を迫られ、相手が唐突としか思われない現れれ方をする
あたりなど、『東京物語』の笠智衆の設定と深い関係があることがわかります。
映画の最後で、一人で海辺にでかけるあたりも徹底しています。

なお、映画の中で、佐分利信は遅刻の常習犯として描かれ、父の一周忌にも
遅れてやってくるところは、再び『秋日和』の冒頭、旧友の七回忌の場面でも
使われています。

小津映画では、戦争が終わって海外から戻ってくる人物はいますが、
佐分利信が『お茶漬けの味』とこの作品で海外に出かける準備をしている
シーンを見るのは、小津作品ではきわめて異例です。

佐分利信のことばかり触れましたが、戦前の小津映画であり、小津のスタイルを
戦前と戦後に安易に分けることが間違いであることを納得させる不思議な
作品です。