麻雀放浪記

角川ヘラルド映画2006-10-20 - 角川ヘラルド映画 価格 ¥ 7,990
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麻雀放浪記

角川ヘラルド映画

価格(new/used): 7,990 円 / 2,899 円 より
発売日: (2006-10-20) アマゾン売上ランキング: 34655 位
DVD / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 4件

見事な監督デビュー作
 和田誠の監督デビュー作だが、彼の膨大な映画的体験からすればSF大作でもアクションでも平均点以上のレベルの作品が作れそうだが、このような小品をセレクトしたのは好感が持てる。思えばクリント・イーストウッドやロバート・レッドフォードの監督第一作が地味な作品であったし、派手な仕掛けのない分、ある意味で本当の実力の見せ所である。驚くようなカメラワークや自己満足的な変則的アングルなどはなく、手堅い演出で観客に過剰なテクニックを意識させないのがよい。(和田誠ならば、やろうと思えばいくらでも凝った演出ができるのに)
 キャストもゲスト出演や友情出演による大スターの動員はせず、若い真田広之と大竹しのぶを中心に、高品格、鹿賀丈史、加賀まり子、名古屋章、加藤健一など手堅い共演陣で、この脇のキャラクターの描き方が秀逸で、期待に応えた俳優たちの演技も見事だった。
名作よりも『傑作』
大傑作というより『中』傑作だと思う。
そしてそれは恐らく、この映画を大仰な作りにはしたくないという、和田誠さんのコンセプトだったのではないか。
その粋が、随所にセンスを光らせている。

真田広之の舌足らずな喋り方や大竹しのぶのかまととな演技に失笑を覚える向きはあるだろう。
だが居並ぶ俳優陣のいぶし銀の切れ味が、脚本の良さに加味して冴える。
高品格や加賀丈史が良いのはもちろんだが、何と言っても女衒(ぜげん)役の加藤健一が秀逸だ。
鼻の形やきりりとした眉、抑えた芝居のかっこ良さ。
個人的には一番感服した。

そして、邦画ではもう体験しにくい鬼気迫る臨場感に触れることも出来る。
(↓以下3行は具体的な描写になるかもしれないので、ご鑑賞前の方はご注意を)
小料理屋でのドサ健の無茶苦茶な啖呵、その際大竹しのぶが目に宿す一瞬の狂気。
或いは預かった『品物』に対する女衒の所作…。
自転車をこぐとき軽く頭を上下させるドサ健の姿にも、何故か安堵を覚えた。

大黒澤の娯楽主義をも連想させる、つまりは世界レベルに照らしても間違いなく『傑作!』の部類に入る、痛快博打活劇だと記しておきたい。
いろいろあるが
加賀まりこの牌さばきがおぼつかない。
後ろに人がいるのにバイニンが積み込むのはナンセンス。
後ろに人がいるのなら伏せパイで打ってほしい。
リーチリーチとまるで学生麻雀みたいなルール。
美術の細部の仕上げがわるい(セットくさい。屋外シーンでは風も霧も雲のかげりもない)
DVDのせいかもしれないが白黒フィルムのラチチュードが狭くて平板(ライティングのせいかもしれない)。
いろいろな意味で演出が素人くさい。

が、ドサ健が格好いい。
出目徳は一世一代の名演。
真田もわるくない。色川武大の若い頃は細身の二枚目だったらしいが、真田のように青っぽくて純情な文学好きの青年だったのかも。
女衒の加藤健一がなにげなくいい。

勝負は負けだしてからがおもしろい。
昭和時代には麻雀が基礎教養だったことをなつかしく思い出す。
原作が読みたくなるほどの傑作
冒頭で「東京の花売り娘」が流れてきた時点で、一気にモノクロの世界観に引き込まれてしまった。
戦後間もない時代の雰囲気がよく出ている。
あからさまに冷たくあしらう事はないが、なあなあにはならず、勝負事には容赦のない、
玄人(バイニン)達の奇妙な人間関係や、闘牌シーンが面白い。
麻雀物といっても、麻雀を知らない人でも楽しめるくらい、人間ドラマが中心。
特に、高品格が演ずる出目徳が魅力的。
逆に言えば、「近代麻雀」を読んでるような、バリバリの麻雀好きには物足りないかもしれない。

坊や哲&出目徳対ドサ健と、ラストの坊や哲・出目徳・ドサ健・女衒の達の対決は何度観ても面白い。

音声は日本語DD(モノラル)のみだが、特にセリフが聞こえにくいということもないし、日本語字幕つき。


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