フレンチ・カンカン

東北新社2006-10-27 - 東北新社 価格 ¥ 2,624
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フレンチ・カンカン

東北新社

価格(new/used): 2,624 円 / -- 円 より
発売日: (2006-10-27) アマゾン売上ランキング: 24173 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 3件

ルノワール、まずはこれを推薦します
ルノワールといえば素晴らしい作品が目白押しなわけですが、どれか1本をと言われれば、私は迷わずこれを推薦します。

ルノワールが第二次大戦中に米に亡命し、ハリウッドのシステムに辟易して仏に帰国した直後に作った作品です。
だから、これほど過剰に仏的な香りが充満している傑作なのでしょう。
仏に戻ってきた喜びが伝わってくるようです。
ルノワールは仏を離れて、仏の素晴らしさを再認識し、もっとも仏らしく自由な雰囲気あふれる作品を作りたかったのではないでしょうか。

プリントはまずまずです。
素晴らしく良いとは思えませんが、作品の古さから言えば普通に楽しめます。
価格も良心的ですので、満足できる程度と思います。

個人的にはこの映画を観て、ロートレックの作品に多大な影響を受けているのではないかと憶測しています。
ルノワールの出自や題材から考えれば、絵画にインスパイアされているのは肯けますし。
映画の端々にキャバレーのポスターが映し出されます。
コントラストが強く原色が重視された映像(色が平塗りのようです)、それに構図など、まるでデカダンな雰囲気漂わせるロートレックの作品が動き出したようです。

この作品、ルノワール×ギャバン(出身階級の違う二人のジャンはグルメ趣味で生涯良き友だったとのこと)が最後にタッグを組んだ作品です。
ギャバンが年をとり、すばらしく渋くダンディな演技を披露しています。
彼を抜きにしてダングラール役は考えられません。

それにしても、上流階級の生活と対比させながら庶民の生き生きとした生活を描くスタイルはこの作品でも健在です。
上流階級出身のルノワールが、下世話で雑然とした庶民や労働者の生活の中にこそ、リアルな「生」を見出していたのではないかと思いました。
サントラ盤が欲しい
映画自体も素晴らしいが、なんと言っても終わり近くに流れる曲「モンマルトルの丘」(La Complainte de la Butte)が言葉にならないくらい素晴らしい。この映画のために監督のジャン・ルノワールが書いた詞に、ジョルジュ・ヴァン・パリスが曲を付け、そしてコラ・ヴォケールが吹き替えで歌っているものだが、ええもう、シャンソンの歴史における名曲中の名曲です。
この映画に使われた音源を単独で手に入れたいのだが(録音時期からしてまだモノラルのはず)、サントラ盤出ないですかねえ。
乱れ咲くカンカンパワー
1888年、パリ。上流階級向けのクラブを営むダングラールは、たまたま訪れた下町のキャバレー「白い女王」で踊る娘ニニを見て、カンカン踊りをショーにする計画を思いつく。早速「白い女王」を買い取った彼は、「ムーランルージュ」と名を改めた娯楽の殿堂を作るべく、。真っ先にスカウトされたニニは、カンカン踊りのメインという大役を与えられる。しかし、以前ダングラールの店でスター女優だったローラや、ニニの恋人ポーロ、パトロンでローラをめぐる恋敵でもあるヴァルテール、近東から来た王子など、様々な人物の思惑が入り乱れて、なかなかダングラールの計画は順調に進まない。・・・
「古き良き時代」の類かと思っていたら、人間関係は意外に複雑。ダングラールとローラは同棲する仲らしいけど、ダングラールは平気でニニや若く才能のある娘に手を出してしまう。ローラも愛人がいながら、ダングラールに見初められたニニへの嫉妬心が物凄い。ニニは、彼氏がいながら渋くてダンディなダングラールに夢中になってしまうし、その彼氏のポーロは嫉妬深くて少々ウザいキャラ。私が個人的に好きなのはニニに思いを寄せるアレクサンドル王子。紳士で優しくて、その上ハンサムでニニを見つめる切ない表情といったら!何度「ニニ、彼にしときなさい」と言いたくなったかわかりません。登場人物全員が絵に描いたように完璧でなく、人間関係がドロドロしているのもリアリティがあっていいかもしれません。
そしてクライマックスのカンカン。さっきまでプライベートの問題で苦しんでいたニニが、大輪の花がぱっと咲いたような笑顔でカンカンを踊りまくる、そのパワーに圧倒されました。映画に登場したほとんどのキャラクターが笑顔で見入るのがわかるほど、見てる方もハッピーにさせてくれます。人生の複雑さ、ショービジネスの厳しさ、そして芸に生きる難しさも織り交ぜた、素敵なエンターテイメントです。