清作の妻

角川ヘラルド映画2006-08-25 - 角川ヘラルド映画 価格 ¥ 4,315
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清作の妻

角川ヘラルド映画

価格(new/used): 4,315 円 / -- 円 より
発売日: (2006-08-25) アマゾン売上ランキング: 20119 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 4件

凄まじき恋愛至上主義
増村保造監督は溝口健二晩年の弟子なのですが、この作品はその溝口の兄弟子、村田実監督によって1928年に一度映画化されています。 何か因縁めいたものを感じさせますが、溝口本人の言によれば、村田は男性的な作風を得意としていたらしく、この作品は例外的な女性ものだったのでしょうか。 どれくらいの出来栄えだったのかも今となってはわかりません。 テーマから言えばこれはまさに増村にこそうってつけの物語です。 地獄の底で愛し合う一組の男女と、それをあざ笑う村人たちの因循姑息さの対比がすごいです。 とくにおかね(若尾文子)のことをあざ笑う女たちは彼女の美しさに、男たちはその色香に、自分たちの手が決して届かないことを知っているからこそ、罪を犯した彼女を痛めつけるときの残酷さには義憤以上のものが(性欲まで)見てとれます。 こういう人間の心の奥底に渦巻くドロドロしたものを描くのが増村の真骨頂です。 

常連、若尾文子の何か深く思いつめたような目つきの素晴らしさは言うまでもありませんが、田村高廣も堕ちていく模範青年という難しい役を見事にこなしていると思います。 その生真面目さ故にあばずれと呼ばれている女の色香に魅せられ、最後は二人で堕ちるところまで堕ちていく(彼らの中では純粋に愛の世界に昇華していく)というある種のマゾヒゾムは、日本映画史上最高のインテリでありながら、むせ返るような恋愛至上主義的作品を造り続けた増村とどこか相通ずるものがあると思います。 規模的に言って、現代でも映画やTVドラマでリメイク可能な作品ですが、あの狂気の芝居をやりこなせる二人がいません。 そしてあの常軌を逸した恋愛至上主義を“理知的に”映像化できる監督もいません。 もはや再現不可能の異色作となってしまいました。 
泣いてしまう
増村監督の傑作「妻は告白する」に勝るとも劣らずの壮絶な映画でありながら、とても心温まる映画であるところが、この映画の特筆に値する点だと思います。僕はどうしてもラストシーンに泣いてしまうのですが、それはこの映画が人間の美しさを描いているからだと思います。「清作の妻」というタイトルも、実に単刀直入で味気ないと見る前は感じていましたが、今はこのタイトルしかないとすら思うくらい、若尾文子演じるお兼は、どこまでも清作の妻なんです。そして最終的に夫婦共に、いろいろなシガラミを断ち、人間として大きく成長し、力強く二人で生きていくというテーマが、本当に素晴らしいです。増村映画の最高傑作ではないかと個人的に思います。
愛の形
愛の形はいろいろある。沢山の小説、映画を見て来たが、これ程の異常な究極な愛は少ない。愛する男の目を五寸釘で刺し、刑罰を受けて帰ってからも二人で暮らす結末。正しくバッションだ。題材は日本の明治時代だが、現在にも起きてる愛の犯罪に匹敵する傑作である。反戦映画でもあり、部落民差別の映画でもあり、恋愛映画でもある増村保造監督の問題作品だ。
狂気か正気か
最初のほうは若尾文子の心境が理解できず、あっけにとられて見ていたが、
最後の最後で目からうろこが落ちました。
彼女は村の人から見たら狂気に見えるかもしれない。
けれど、僕には村の人々、当時の日本社会が狂気に見えた。
そして、若尾文子が美しく、純粋に見えた。
名作です。

本編とは関係ないのですが、DVDの裏側に一部ネタバレが書いてあるのはどうかと思った。
あれは、伏せておいたほうが見る人にとってはよいのでは?
まあ、僕はそれを気づかずに見たのでよかったのですが・・・。