兵隊やくざ DVD-BOX 上巻

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兵隊やくざ DVD-BOX 上巻

角川エンタテインメント

価格(new/used): 14,616 円 / -- 円 より
発売日: (2005-06-24) アマゾン売上ランキング: 34597 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 8件

大人の娯楽映画
戦争を忌避し合法的に戦場(満州)から去るべく、事実上昇進を拒否し満期除隊を狙うインテリの有田上等兵<田村高広>。自分が上官に虐められてもそれを同様に初年兵に行って鬱憤を晴らそうとはしない。
そんな下に大宮二等兵<勝新太郎>が初年兵として送られてくる。こいつがとんでもない奴でなんと大宮にはびんたが通じない。素手で殴った方が手を傷めるのだ。ウルトラマンの様に喧嘩は強い。喧嘩が好きで浪花節の師匠から追い出されたが腕を見込まれその筋で拾われて居たという。ところが字も読めない直情径行型のこいつの純情が通じて有田は何度も面倒を見る嵌めになる。

痛快な娯楽映画だが戦後の庶民に受けた理由がわかる気がする。
与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」の”君は知らじな、あきびと(商人)の家のおきてに無かりけり”である。この時代の戦士は職業軍人ばかりではないのだ。

ラストシーンに子供の頃見た「小さな恋のメロディ」(メロディ・フェア)を思い出す。花溢れる草原を走る思春期の恋人達を乗せたトロッコ。アレはどこに行くのか小学生の私には想像付かなかった。 しかし、「兵隊やくざ」の主人公二人が脱走した機関車は彼らを何処に連れて行くのか大人は解っている。現実には中国服を用意したとて彼らにはスパイ容疑で外国人に殺されるか同胞に捕まって軍法会議、同様の結果だろう。大人の娯楽映画と書いた所以である。

シリーズで多くあるが説明した第一巻が一番コアな部分だろう。
勝新のうなる浪花節(紺屋高尾)も楽しい。
めちゃくちゃだが面白い、」だからめちゃ面白い
勝新太郎と言えば、座頭市、悪名そしてこれ。原作者有馬頼義の役を田村高廣が演じるインテリ上等兵の有田。浪曲師の字の読めなが喧嘩は滅法つ強い大宮二等兵に勝新太郎。満州の陸軍で繰り広げられる不条理に対抗する二人。豪放磊落、痛快この上の無いシリーズでした。戦後の香りがまだ残る1965年ですから、旧軍隊で嫌な思いをした人が溜飲を下げるような意味もあったのでしょうか。何しろ大宮二等兵の顔をピンタしたほうが、痛がるのですから、勝新は強かったですねえ。面白いです。
陸軍内務班はどうなってるの?
今や旧軍を舞台にした映画はもう作れないかもしれない。それでも、海軍あたりは多少可能性が無きにしも非ずだが、旧軍のしかも陸軍で内務班を描くとなるとかなり難しいものがあるだろう。本作は戦後20年経過した1965年、国民に記憶がまだ十分な頃の作品である。山本薩夫「真空地帯」「戦争と人間完結編」などは執拗に描いてはいるが、また、野村芳太郎「拝啓天皇陛下様」でもちらりと出ては来るが、陸軍内務班の生活やしきたりなど、ほとんど忘れ去られている。「ホシの数よりメンコの数」などという言葉は本作が無くては残らないかもしれない。主演の勝の田村も今はいないが、この二人はもちろん他の役者も兵隊の顔をしている。勝新太郎の浪花節の師匠役の山茶花究も味があった。第1作の出来が秀逸。他も水準以上。そして、増村作品のディープさ、もって瞑すべし。
リアリティーのある暴力
やくざ出身で字の読めない大宮一等兵(勝新太郎)と大学出の有田上等兵(田村高廣)が無二の親友になり、何度も軍隊を脱走しては再びび戻ってくる。脱走の動機は理不尽なイジメであったり、不服従であったり、軍隊内の腐敗の告発であったりと、いろいろである。インテリとやくざが助け合って生き残るのがテーマになっている。60年代中頃の映画でありながら白黒で撮影されていてリアリティーを醸し出している。また、戦後20数年しか経っていないので日本の男達に旧軍の余韻が残っていて、そのてんでもリアリティーがある。

脱走しても再び軍隊に戻ってくるのは、つらくて飛び出した軍隊より、自由なはずの外界のほうがさらにつらいからである。戦場は北満である。脱走したはいいが腹は減るし、周囲は敵がうようよいる。軍隊にいればとにかく飯は三度三度喰えるし、なにより安全だ。このコンビはそれを実際に口に出して言う。

映画『兵隊やくざ』の半分は喧嘩の場面だ。これはバイオレンス映画とも言える。しかし8本一気に観られたのはその優れた娯楽性にあると同時に、歴史性に惹かれたからだ。歴史と映画はもちろん違うが、戦後20数年しか経っていない時点で製作された戦争映画は戦争の余韻が色濃く残っていて、ディテールに信憑性がある。

最後の巻は終戦を跨いでの物語だが、「日本は負けたが俺は負けたわけじゃねえ」という頼もしい言葉で結ばれている。

日本の戦争映画は70年代までである。それ以降は見るに堪えない。監督も俳優も軍隊経験がなくなったし、日本人の顔つきと体型が変化してしまって戦前を再現できなくなったからだ。
「仁義なき戦い」と並ぶ、日本映画の大傑作
1枚ずつのばら売りをしていないのが残念ですが、ともかく「兵隊やくざ」をDVDで見られるのは素晴らしい。私の中では東映の「仁義なき戦い」と並んで日本映画のオールタイム・ベスト2です。

滅法強くて、愛嬌があって、義に厚い大宮二等兵。誰もが彼から目を離せないくらい魅力的。でも私は、軍隊に精通していて、しかもグレている有田上等兵どのが好きです。また上等兵どのを見つめる大宮の目がいい。戦争・軍隊・侵略という、個人ではどうにも抗えない歴史の激流のなかで、二人は精一杯自分を貫きます。すばらしい青春映画です。

現実にはありえない破天荒なコメディですが、この映画が撮られた昭和四十年頃はまだまだ現役で兵隊に行った方がいっぱいいたためでしょうか、軍隊生活の描写が自然です。原作者・有馬頼義には有田上等兵のように満洲での軍隊経験があり、軍隊に対してインテリらしい反感を持っていた。それが本作にも反映され、娯楽作品なのに希有な深みを見せています。

原作の小説『兵隊やくざ 貴三郎一代』にもっとも忠実なのが第一作。軍隊映画から戦争映画へと変貌する第二作。慰安所を描いた小説『続・兵隊やくざ』が元の第三作。陸軍刑務所から始まる、ちょっと仁義なき香りが漂う第四作(田中邦衛も出てるし!)と、作風もバリエーション豊かです。
小説も素晴らしいので、映画を気に入った方はもちろん、DVD-BOX購入を検討している方も、小説を手に取ってみてはどうでしょうか。光人社NF文庫です。
日本映画が一番輝いていた時代の、宝物のような作品です。まさに秘宝。