そこで起きた殺人事件の犯人を嶋田久作演じる明智小五郎が、心理的に追いつめていく。東栄館から漂ってくる、時代を反映した退廃的雰囲気の中だからこそ起きたと言える犯罪で、加賀恵子のあけすけな性行為、清水ひとみと寺田農による倒錯的美学、宮崎ますみが見せる狂気などが、その雰囲気を盛り上げる。
エロスとデカダンスを全編に漂わせ、加賀恵子をフィーチャーしたところなどは、まさに実相寺昭雄らしい作品と言えるだろう。