生きる

東宝2003-03-21 - 東宝 価格 ¥ 4,200
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生きる

東宝

価格(new/used): 4,200 円 / 3,380 円 より
発売日: (2003-03-21) アマゾン売上ランキング: 13036 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 58件

永遠のテーマ
余命を宣告された人間が最後にどう生きるか、今もってそのテーマは
小説や映画で取り上げられているが、もちろん明確な答えもない。
色んな困難に直面してでもやり遂げるという強い意思。みごとに表現されていた。
死の宣告を受けた主人公は、役人として事なかれ主義に徹して退屈な人生を歩んできたことへの後悔もあり、再度生きることの意味を模索する為に歓楽街で羽目を外すがそれも結局は虚しいばかり。
そん中、市役所を辞めた元部下の女子職員との会話をきっかけに以前より市民より陳情要請のあった公園を造る事に残り僅かな日々を費やすことにした。
完成した公園で歌う姿はなんとも心に残るシーンであり、そこに描かれていたのは微笑み=達成感ではなかったか。
稀代の青春映画
この映画は稀代の男性の青春映画である。
若き森田健作も中村雅俊も出て来ないが、こんな見事な青春映画を私は知らない。
主人公の渡辺勘治の悩みは、青春の悩みそのものである。
どう生きるか分からず、暗闇の中で、夜の街を徘徊したり、女性の後を追いまわしたり・・
これは青春時代必ず経験する、青春の苦悩から来る行動であり、若い人を共感させる。
この事を初老の老人がデフォルメして演じる事で、見る者(特に若い男性)に圧倒的な
感銘を残す。これが若い役者でやったら、臭くて見るに耐えない映画になっただろう。
この映画は、最後渡辺勘治がスパーマンになってしまう事。青春の苦悩にある者は、渡辺勘治の
最後の生き方は理想であり、憧れである。私が思うにこの映画を見た若者は、仕事に強烈な生き
がいを見出そうとしたのではないか。日本の経済成長を影で支えたのはこの映画だといえば言い
すぎだろうか。この映画を若い時に見た人は幸せである。日々の生活に疲れた時、この映画を
再び見る事により、忘れかけた青春の活力が戻ってくるから。

余談だが、私の経験では、渡辺勘治のような人が余命を宣告された時、ほとんど静かに死を受け
入れる。それだけ長く生きるというのはしんどいのだ。
最後に一言。「青春は後から思うと甘美であるが、真っ只中にいる人は地獄である。」ゲーテ
★残り時間は・・☆
何度も観て、これからも何度も観るだろうと思う映画です。
そして、観るたびに新しい感動・気付きを与えてくれる映画です。
ストーリーは、ほぼ頭に入っているのに観始めるとグイグイ引付けられ、
いつも一気に最期まで観てしまいます。

この映画は、人生の最期になって自身の生命を輝かすことができた、
幸福な男のドラマであり、
同時にドラマの少ない職場で、30年間退屈な時間を生きつづけ、
妻とは早くに死別し、
愛する一人息子とその嫁からは疎まれた男のドラマでもある。

自身の死期を悟り、残る時間をいかに生きるか、の意義を見つけた
主人公の生まれ変わったような、情熱・命の輝きは感動的であり
「人はいつでも生まれ変わることができる」
という思いを、沸き立たせられると同時に、
「君の残り時間は、どれだけあるのかね?」
と鋭く問いかけられているようにも思う映画です。


ゴンドラの唄
なんと!「生きる」が今日、9月9日9時(夜)に999並びでリメイクされます。
それを讃えてレヴューします。

中学生の頃でしたか、モノクロの映画で、いきなり「レントゲン写真」から映画は始まりました。なぜか、引きこまれ観ていくうちに、主人公は気づきブランコで「ゴンドラの唄」を歌います。
♪いのち 短し 恋せよ 乙女♪

のちに、美輪明宏さんが音楽会で歌うのに出逢い、涙が溢れました。

そう、恋をしていたのです。

今日、999の日に「生きる」を見ることができる。
そう、生きるのに疲れた日を乗り越え、プレゼントな時間。

生きてて良かった。

ハッピバースデートゥーユーが流れたとき、主人公渡辺は生まれ変わりました。
魂が生まれ変わったのです。人は、死ぬ間際でも、いつでもやり直せる。
面白すぎる!!
 「余命、半年否、75日となったら人はどう生きるか?」という重いテーマを扱っており、そのままストレートに描いても十分感動作となる話だと思うのですが、黒澤組の映画はそうはならない(脚本は黒澤、橋本忍、小国英雄)。全編が映画話法、演出テクニックを駆使した面白さの連続で「これが映画だ!!」と叫びたくなるくらいの実に映画的な映画になっている。生きているとはいえない単調な主人公の毎日を描く冒頭(この部分のナレーション、結構キツイです)、残された時間を生きようともがく歓楽街での一夜(メフィスト伊藤雄之助、怪演です!このあたり当時の風俗が感じられて大きな見せ場のひとつ)、市役所を辞めた若い娘との交流・主人公が生きることに目覚めるまで(特典映像に収録された綺麗なおばあさんといった感じの現在の小田切さんの姿が感慨深い)、主人公の通夜の席(地味なシーンのはずなのに、ここからがまた盛り上がる)、と映画の途中で主人公が死んでしまう大胆な構成には何度観ても新鮮な驚きがある。それぞれの場面でのデフォルメされたような話法がとにかく面白い。主人公が胃癌であることを悟るところ、ハッピーバースデイのシーン(あざとい演出とも思えるが何度観ても感動してしまう)などなど、いくらでも数えられる。妻の霊柩車を見つめる回想シーンも忘れがたい。志村喬の名演はもちろんのこと、小さな役に至るまで俳優たちの存在感、演技の見事さも見物です。ヤクザ(?)宮口精二、加藤大介の凄み(宮口はセリフなし、ワンシーンながら強烈な印象を残す)。木村功もセリフ1つでした。あと嫌味な助役の中村伸郎!!大好きです。前半だけでも凄く面白いのですが、それをまた凌駕するのが後半の通夜のシーン。左朴全の「助役と言え!!」が面白さのクライマックスでしょうか。また、この通夜の席の面々が素晴らしくイイ味を出してます。

 この映画のテーマ、生きている実感を得られぬような、命が軽視される風潮の現代にこそ、強烈なメッセージを持ってると思う。あなたは、今本当に生きているという実感がありますか?黒澤監督は、時代を超えて問いかけているように思います。