ハッシュ!〈通常版〉

ハピネット・ピクチャーズ2002-11-22 - ハピネット・ピクチ... 価格
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ハッシュ!〈通常版〉

ハピネット・ピクチャーズ

価格(new/used): -- 円 / 2,090 円 より
発売日: (2002-11-22) アマゾン売上ランキング: 54042 位
DVD / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 6件

面白いよ。でも
俺はこのテンポはついていけない。
ずっと座ってるのが苦手なんだ。
面白い。だけどじれったい。
軽やかな倫理観の提示
ずっと気になってはいたものの、デビュー作『二十才の微熱』に漂う弛緩ぶりが引っ掛かってなかなか観る気になれなかった(『二十才の微熱』もとてもいい作品なのですが)。ところがどっこい、観てみるとデビュー作から見違えるほど出来がよくなっている。

両作品を観た人は解ると思うが、物語の構成は『二十才の微熱』とどこか似ている。ナイーブで誰に対しても優しい主人公の男性と、彼と恋愛関係(または片思い)にあるゲイの男性。その二人の世界に、奔放で感情表現のストレートな女性が割り込んでくる。奔放な彼女に振り回されつつ、主人公の気持ちにも徐々に変化が生じる・・・といった具合。

両作品を通じて橋口監督が伝えようとしていることは極めてシンプルだ。①「ありのままの自分を受け容れ、自分を偽ることはやめなさい」、②「ありのままの自分を晒け出すことで生じる葛藤や軋轢はすべて自分で引き受けなさい」ということに尽きる。そういう意味で極めて倫理的な作品だと思う。現代社会では「自己決定」の名の下に①ばかりが幅を利かせがちだが、②を伴わない自己決定は「身勝手」としか呼ばない。

カミングアウトすることで多くの軋轢を免れ得ないが、かといって誰一人として理解してくれない訳でもない、という今のゲイの受け容れられ方のバランスが、①と②の倫理観を提示するのに非常に適しているんだと思う。というより、橋口監督だからこそ、そういう倫理観を獲得できたのだと云った方が正しい。そして、②をきちんと主張しながらちっとも説教臭くならないのは、やはり橋口監督の手腕だろう。全体としてはコミカルタッチなので肩肘張らずに観ることができる。
片岡礼子の演技は、『二十才の微熱』の頃から著しく成長していて驚かされた。

タイトルには未来に聞こえてくる声が響いているようです
主人公たちが進む未来へ伸びる映画のラストで流れる『ハッシュ!リトル・ベイビー』は、ボビー・マクファーリンとヨーヨー・マという違う魅力を持った名演奏家のデュオで、映画の終わりを軽快に締めてくれます。この曲もそのまま『ハッシュ』というタイトルのアルバムで出ていました。アマゾンでは試聴も出来ますのでどうぞ。
都会の物質的・抑圧的な生活のなかに一筋の希望を見出す
 主人公は、二人の男性と一人の女性。都会の人間は孤独であるということに気づいた彼らは、それでもなお他者とともにあることに希望を見出そうとする。都会の生活、その見果てぬ荒波の向こうに、一筋の光を見出し、現実という苦難ををを克服しようとする。そしてゲイの要素が混入した新しい「家族」を夢想する。

 細かいところはぬきにして、マクロでみれば、都会の価値観に道徳にもアンチテーゼをなげかけている。映画としてもそれなりに楽しめると思う。

ヌルい世界が心地良い
 「ゲイのカップル」と「自暴自棄な女性」とが主人公という設定があざといなあ、というのが観る前の正直な気持ち(予断)でした。前評判はいいものの、どうだかなあと斜に構えていましたが、ところがどっこい、とってもいい作品でした。

 作中、一貫して感じるヌルさは、ゲイ特有のものでしょうか。ゲイが主人公であるだけじゃなく、監督も? とにかく、そのヌルさが心地よい。
 会話の普通っぽさ、何気なさが印象的です。ドモったり、モニョモニョ聞き取りにくかったり。それがナマの生活感を演出しています。

 劇場でも観ましたが、個人的には2002年上映された日本映画ではベスト1の作品です。



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