『家なき子レミ』はとても音楽の美しい作品です。さだまさしさんの歌う『愛について』youcaさんの歌う
『しあわせの予感』はメロディーのラインが美しく、歌詞も心を打ち、歌手の方も本当にきれいな歌声を聴かせてくれます。
これだけでこの作品は見る価値があったと思っています。また、第1巻も素晴らしかったと思います。「前へすすめ」「泣き虫レミ」といったヴィタリスさんのやさしい
一言に溢れていました。
しかし、この巻から徐々に怪しげな雰囲気が作品を覆い始めます。まず、二十数話しかない話数の桎梏があまりに
急展開なストーリーに反映され始めます。また、無理に主人公を女の子に変え、名作劇場の24話を振り返ろうか、
という展開に無理が出てきます。話の作り自体が『ロミオの青い空』のようなやや単純な造りになってきて、
その中に盗み、火事、いじめ、別れ、再会、恋愛、といった要素が入ってきます。
話が速すぎて心がついていかないし、感動させよう、というのが露骨になってきて楽しめません。
「前へすすめ」の台詞が段々決まり文句になってきて第一巻の感動までもが薄れてしまいます。
大人が子どもに強要する感動になり始めていてリアリティがありません。
主人公レミの性格もかなりブレがあって一定しないし、その分堀江美都子さんの声にも落ち着けません。
また、10歳の女の子にわざわざ恋愛させなくてもいいでしょう。他の作品のように男女の友情ではダメなのか?
せっかくの名作が、作り手の勝手な、大人的な演出によってつぶされてしまった気がします。
『世界名作劇場』は「ナンとジョー先生」で終わりを告げ、そこから全くアニメ的な物語に変わってしまった気がします。
第二巻以降は、現代的な「ロミオの青い空」や「七つの海のティコ」を楽しめる人なら楽しいでしょうし、それでなければ
そうでないでしょう。