銀河鉄道の夜

PIASM2002-03-22 - PIASM 価格 ¥ 4,242
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銀河鉄道の夜

PIASM

価格(new/used): 4,242 円 / 3,980 円 より
発売日: (2002-03-22) アマゾン売上ランキング: 841 位
DVD / 通常3~4日以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 72件

大衆におもねない珍しいアニメ
小学校の頃、初めてこの作品に触れ、子供ながらに「凄い作品があったものだ、私は気に入った」と思うと同時に「アニメ好きの他の子達はこれを認めないだろうな」と感じたのを覚えています。
いかにスピード感を盛り上げて子供を飽きさせないかが勝負と考える、子供の関心を引きたいアニメ作家ならば、最も避けたがるであろう「間」が、間のびして見えるほど丁寧に取ってあり、主人公を泣き喚かせる代わりに、無表情のままふと見上げた電灯の滲み等で、表面には浮かばない涙や、深い心の傷を表現し、病気の母親は暗いドアの向こうにいて、声のみで姿を見せない。登場人物のほとんどが「猫」の姿をしているため国籍が判らず「ジョバンニ」「カンパネルラ」「ザネリ」と、不思議な名を持つ彼等にふさわしい。原作で完全に「かおる」等「日本人」の名を持って登場する先生と姉弟は、最初からジョバンニたちとは異質の、人間の姿をして交わって来るのに、それが不自然に見えない。
映画中使われている言語が、世界平和を願ってやまなかった宮沢賢治が研究していた「エスペラント言語」である事も、知った時は衝撃でした。原作のイメージを全く壊さないよう、音楽も構成も色彩も、計算され尽した大人の作品だと思います。

美しくて、哀しい
いわずと知れた宮沢賢治の不朽の名作。
鮮やかな色彩が美しい作品です。
本編のもちろんですが、エンディングで「春と修羅 序」が朗読されるのが印象深いです。

何かに疲れたとき、嫌になってしまったときに
見たくなる作品。
不思議で、哀しくて、懐かしい映画。
映画を本当に面白いと最初に思ったのは、いつのことか。

僕の場合は中学生のころ、この映画を見たときが最初でした。

少年少女であった時代に、宮沢賢治の幻想的な世界や、星空や、宇宙や、その中に存在する人間の不思議さや、そういうものに、ただ純粋に心を動かしたことを覚えている人は多いと思います。

ただ、それは本当に、いつのまにか、はるか遠くに見えなくなってしまう。
毎日の生活の中で当たり前に揺れ動く心の中で、占める場所は小さくなり、埋もれていってしまう。

そうならずに、同じ気持ちを持ち続けている人のことは、よくわからない。
その方が幸せなのかどうなのか、ただ自分にとっては、そういう透明な心がもう自分の手の届かないところに埋もれてしまっているということは、どうしようもない事実で、それが書き変えることのできない自分の過去の積み重ねだということは、偽ることはできないし、そうしたいとも思わない。

でも、この映画のラスト、もう現実の世界ではカンパネルラには会えなくて、それでも、ついさっきまで自分は一緒に不思議な旅をしてきて・・・、その言葉に出来ない、表情に出すことすらできないような、哀しくて寂しくて切ない不思議な思いを抱えて、ジョバンニが走り出すシーン。
それを見ていたときの、胸がいっぱいになるような気持ち。

それは今はもう失くしてしまったかもしれないけど、かつて確かに心の中にあったもの。
あの胸がいっぱいな気持ちは何なのか、それが知りたいということだけは、今も心のどこかで思っているような気がするのです。
日本アニメの最高傑作
というのは異論ありますか?、個人的見解です。
夜の表現、妖しく煌く星雲の美しさ!
虚無の宇宙空間?の表現も見事。
細野晴臣の音楽も素晴らしく効果的。

お子様には理解できないとの声も聞きますが、
作品自体が子どもの心の話で分る子には分ります。
うん、ネコしかない。確かに。
 「銀河鉄道」をはじめとして、宮澤賢治の作品は非常にカテゴライズが難しい。「童話」と片付けるのは容易だが、それじゃどうも腑に落ちない。
 まあ、理由は結局「テーマの難易度」なんだけど。人類の哲学史上、最も果てしない禅問答は「幸福論」である。こともあろうに「銀河鉄道」は、そんな難問に実に物腰柔らかく正面切って立ち向かっている。で、立ち向かったと思ったら、カムパネルラの死でもってあっさり降参。「春と修羅」のように、苦しみ抜いて(苦し紛れ?)「わたくしという現象」に答えを出したような粘りを見せたわけでもない。ただ、その諦めの余韻があまりにも美しい作品だからこそ、僕は好きなんです。「銀河鉄道」。
 哲学に決着がつかないからこそ、この作品を映像化するときには、あらゆる面でカラフルを排除をするべきだった。色彩だけでなく、登場人物の表情も。豊かな表情は物語を明確にする。「銀河鉄道」は、明確になってはいけなかった。
 そんな意味で、表情の変化を最小限に抑えられた「登場人物のネコ化」は大正解だった。美しい車窓の風景を、表情の抑えられた目で見つめるジョバンニとカムパネルラの描写にこそ、この映画の素晴らしさがあるように思えてならない。