砂の器

松竹ホームビデオ2002-02-21 - 松竹ホームビデオ 価格 ¥ 9,880
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砂の器

松竹ホームビデオ

価格(new/used): 9,880 円 / 1,850 円 より
発売日: (2002-02-21) アマゾン売上ランキング: 29433 位
DVD / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 75件

いわずと知れた、日本映画の名作、必見です。原作:松本清張×監督:野村芳太郎×脚本:橋本忍,山田洋次の豪華製作陣による、人間の「宿命」を描く名作。傑作社会派ミステリーでありながら、より人間ドラマである。
いわずと知れた、日本映画の名作、必見です。
国鉄・蒲田駅操車場で起きた殺人事件、二人の刑事の執拗な捜査による意外な物証から、やがて容疑者が浮かび上がる。
DVDで、見直して最も感じたのは、物語序盤から少しずつ地道に進められていく捜査過程が、丁寧に描かれているということです。
その捜査は、名物刑事の強引な勘や、無理な偶然などではなく、きちんと捜査されて除々に浮かび上がる真実と過去であるからこそ、その物語に引き込まれていきます。
このために、クライマックスの、和賀英良とピアノ協奏曲「宿命」の演奏を背景に、丹波哲郎が涙ながらに過去を語るシーンが生きてきて、感動に導かれるものだと思います。
このピアノ協奏曲「宿命」もまた本作において非常に大きくウェイトを締めており、菅野光亮氏の作曲・ピアノ演奏(音楽監督:芥川也寸志氏の協力)による音楽、四季の映像、俳優陣の名演の相乗効果がクライマックスの感動を呼んでいます。

丹波哲郎演ずる刑事は、執念深いことはあっても普通の家族持ちであるし、森田健作も若く真面目ではあっても、二人とも普通の人間であるところも、話をよりいっそうリアルに感じさせ重要であると思います。
加藤剛さんは、出演シーン特にせりふは思ったより少ないにもかかわらず、「宿命」を「生まれて来たことと、生きているということ」と語る場面など存在感があり、特にコンサートでの演奏時の「表情」で、そこに至るまでの人生を表現している様が強く印象に残ります。
他にも、終盤の加藤嘉さん、緒方拳さんら俳優陣の人間味のあふれる演技にも感動必至です。

個人的には、「八つ墓村」「八甲田山」にも出演した加藤健一さんが駐在のおまわりさん役で出演しているのも要チェック。現在は、加藤健一事務所(1980年〜)・劇団を主宰されており、下北沢本多劇場での毎年数回の公演で精力的に活動されています。

*DVD特典映像の特報・予告では、本編未使用あるいは予告用のカットも観れます。
原作とは別物になってて・・・
悪くはないのですが原作を読んでからこの映画を見るとやはり不満が残ります。
原作においての和賀の野心家ぶりが全く描かれてないので、
なぜ三木を殺したのか動悸が全く見えないし、
推理小説なのに謎解きはホンのオマケ程度にされてしまっていて、
原作を読んでいるときのような今西の努力や次の展開が楽しみということもなく、
淡々と進んでいきラストもまさかこれで終りじゃないよな?
と思いつつまさにその通りになってしまい・・・
肝心要の現在の和賀の人間描写がどういうわけか
手抜きなので原作を読んだ方ならとても満足は出来ないと思いました。
しかし人間ドラマとしてはそこそこだとは思います。
なので星3つです。
映像美
30年前の映画なので正直、時代背景や和賀の心情が理解できない部分がありましたが、丹波哲郎さんや加藤嘉さんの本物の演技で距離を縮めてくれました。
とはいえ、30歳の私にはハンセン病患者がどれだけ差別を受けていたのか想像がつかず、「その心の傷は命の恩人をも殺さなければいけなかった」程度だったのか?と心のどこかで疑ってしまう自分がいます。
医療の進歩や反人種差別という風潮になっていることに感謝しなければいけませんね。

それから音楽と映像がとても綺麗です。綺麗な四季と必死に宿命に耐える親子が対称的で際立ちます。

同名のドラマがありましたが、全く別物だと思って観た方が良いでしょう(共通点は登場人物名ぐらいです)。
映画=社会に対しての問題提議、ドラマ=個人的な人間の弱さ、を表していると思います。私はどちらも好きですが…。

「宿命」に翻弄された青年
この作品に興味を持つきっかけになったのは、日曜のドラマでした。
映画版とドラマ版の比較は難しいです。時代背景、和賀の性格形成につながる生い立ちなど、要所が全く異なります。重要なポイントが置き換えられているので、最早別物と言って良いのではないでしょうか。
私個人としては、この映画の方がより感銘を受けました。ドラマで釈然としなかった、千代吉親子の流浪の理由、和賀の戸籍すり替えなど、映画では素直に納得できました。
千代吉親子の壮絶な旅路…「宿命」にのせて語られる、美しくも残酷なこのシーンは、その美しさのために緩和されて見えるのでしょうが、もっともっと凄惨だったろうと思います。
よく和賀の殺害動機がわからないというレビューを見ますが、世間から理不尽な理由から蔑まれ、子供1人で生きぬいてきた彼の心理が、ぬくぬくと生きている我々に(少なくとも私に)分かるはずがないと思います。こう私が書くことも推測でしかありませんが、恋人ですら使い捨てる、和賀は差別の中にあって、自分を守るためなら他人は切り捨てる(実際彼は切り捨てられる側にかつていた)、そういう人間になってしまったのだと思います。
終盤ずっと目頭を熱くしましたが、何にそうなったのか、具体的に述べることができません。ただ、「そうならざるを得なかった」、和賀の、千代吉の、そして三木巡査の理不尽な「宿命」に、涙を抑えることができませんでした。
※蛇足ですが、どうしても気になったところ…演奏シーンの和賀の手、加藤さんのと違いすぎです。あれはどうにかならなかったのでしょうか。
そして、人は誰でもみなそれぞれの「宿命」を生きている
現在34歳1児の父です。中学生の頃ビデオで見て以来、何度見たか知れません。その間、就職、結婚、子の誕生、身内の死などありましたが、何回見ても、幾つになっても、すばらしい映画だと思います。
最近テレビドラマ化もされたようですが、自分の中にあるこの映画の世界を壊したくないので一切見ませんでした。松本清張の原作は読みましたが、私にはこの映画の方がずっと感動的でした。

この映画のクライマックスは、後半の演奏会での回想シーンに凝縮されています。演奏される「宿命」をBGMに、台詞をほとんど使わず進行する回想シーンです。
ハンセン病にかかってしまった千代吉の宿命。ハンセン病であるがゆえに故郷を離れなければならなかった親子の宿命。ハンセン病であるがゆえに浮き草のごとく放浪生活を続けなければならない二人の宿命。そして、ハンセン病であるがゆえに訪れる親子の隔離と永遠の別れという宿命。それらが、新曲を指揮演奏しながら、和賀の回想となって綴られていきます。
ことに、亀嵩駅での親子の別れのシーンには、ただ涙です。汽笛を響かせながら親子を引き離す汽車がホームに近づく、そこに駆け寄る英雄(和賀)、人々の制止を振り切り抱き合う親子。台詞はない。抱き合う親子と、汽車の音と、「宿命」のBGM。それだけでもう台詞はいりません。
この別れの後、偽名を語り、大物政治家に近づき、作曲家としての名声を磐石なものとしつつある和賀には、すでに父親との再会は選択肢の一つにはできなかったのでしょう。千代吉とても同じく、和賀との縁を知られたなら、和賀の将来を踏みにじることがわかっている。それもまた宿命。

ピアノの協奏曲も「宿命」というタイトルとマッチしており、何より原作の小説では表現しようのない音楽が実現しているのは映画ならでは。

一部に酷評されている方もいるようですが、迷っておられるなら一度ご覧になることをお勧めします。