シャーロック・ホームズの冒険 12巻

ハピネット・ピクチャーズ2001-07-25 - ハピネット・ピクチ... 価格
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シャーロック・ホームズの冒険 12巻

ハピネット・ピクチャーズ

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発売日: (2001-07-25) アマゾン売上ランキング: 100228 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 2件

妥当な改編「銀星号事件」「悪魔の足」
 「銀星号事件」は、原題は、「Silver Blaze」で、延原訳では「白銀号事件」とされており、古い読者としては、こちらの方がしっくりする。第二短編集「思い出」の冒頭の事件で通算13作である。殺人事件と、名馬の失踪という二つの問題が、絡んだ事件の展開は、意外な結末に終わる。
 ホームズ物で競馬に関わる話はこのシリーズ16巻の「ショスコム荘」にも出てくるが、確か原作では馬券を買うつもりといっただけのホームズが、このテレビ版では大量の配当を受け取っている。「事件そのものが報酬さ」のホームズの人生観と合うのかは議論の分かれるところではないだろうか?
 「悪魔の足」は、原題は、「Devil's foot」このテレビシリーズでははじめての第四短編集「最後の挨拶」の7番目、通算43作である。
 原作では、ワトソンが中々作品を書かないのでホームズが電報を送って「コーンウォールの事件をなぜ書かないのか?あれは僕が手がけた最も怪奇な事件だ」と促しているが、公平に見て、他の事件と比較して「最も怪奇」とはいいがたいであろう。
 ネタバレになっては申し訳ないので、犯人などについては記載しないが、この事件で、ホームズがコカインを砂浜に埋めるシーンがあるが、原作にはこれがない。薬物撲滅へのキャンペーンとも思えるし、この事件の謎の暗示かもしれない。
 この事件においても、「ホームズの犯罪」と題した私の同人誌への投稿が適用される結末になっている。道義性と刑事罰の違いであって、これは、法学部の副読本に使われてもいいかもしれない。
個人的にはイチオシ作品
「悪魔の足」。原作ではかなりあやしげな雰囲気の強い、危険な植物を使った犯罪。ところがドラマでは、原作のストーリーにオリジナルエピソードを加え、シリーズ中でも重要な一作になっている。

NHK版ではカットされているが、実はDVDに収録された本国放映のノーカット版では当初、原作通りにホームズがコカインを打つシーンも再現されていた(ヴィクトリア朝当時はコカインの依存性も余り知られていず、違法ではなかったなど、現在とは相当に事情が異なる)。が、本国でも教育上やはりよくないという意見があって、この「悪魔の足」を最後に、そういったシーンはなくなった。私が最も好きなシーンこそ、ドラマ版オリジナルの、ホームズが自らコカインと決別するシーンなのである。

これは別に教育目的のシーンでも何でもなく、ただ、コーンウォールという土地を舞台にした異色の作品の中で、ホームズが荒涼とした海辺で見せる素晴らしい表情・・・感動的なシーンで、これが見たくて何度も「悪魔の足」を見てしまうのだ。

演じたブレット曰く「ワトスンがホームズを必要としているのではなく、ホームズこそがワトスンを必要としていたと考えた」だけあって、ホームズはこれまで、コカインを打つ時は、わざわざワトスンに”見つかる”ようにして打っており、ワトスンがぎょっとする顔や心配する顔を見たがっていたふしがある。そういった”子供性”からの決別でもあったのかも・・・と思うと、非常に感慨深い。