エンバーミング 遺体処置

マクザム2001-07-25 - マクザム 価格 ¥ 4,449
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エンバーミング 遺体処置

マクザム

価格(new/used): 4,449 円 / 3,500 円 より
発売日: (2001-07-25) アマゾン売上ランキング: 87510 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 2件

世紀末の理由なき憂鬱
なぜか日米ともにホラーに分類されているが、死体愛と多重人格を扱ったサイコ・スリラーが正しい。この作品の翌年に4時間の長編「ユリイカ」を手がけることになる青山真治のきわめて興味深い作品。一応カラーではあるが、明らかに白黒映画を強く意識した濃い陰影と、おそらく現像時になされた処理による色味が、全体を通して貫かれる登場人物の、感情を殺した演技とあいまって、理由なき憂鬱感、閉塞感をみせる。同じように、かなり極端に様式化されたセットや、ユリイカの冒頭のバスジャック・シーンなどでも見られる、特徴ある拳銃アクション・シーンの非現実感が、ところどころにインサートされる、どこにでもある町並みの日常性とモンタージュされるとき、彼(青山監督)にユニークな映画世界が作り出される。
世紀末の微妙な年に製作されただけに、時代の影をあまりに背負う運命ではあるが、現代という時代、つまり宗教=信仰が無機質な科学にとってかわられ、現実もその客観性によって非現実感を増し、自己が希薄になる時代を、エンバーミングという死すらビジュアル的に永遠化/客観視してしまう技術をテーマにすることで、現代人が共有する言いようの無い虚無感を見事に映像化した作品。
あの鈴木清順が、エンバーマー役で出演し、棒読みの台詞ながら(笑)怪演されていることにも注目!
異色
これは黒沢清への返答か?ホラーともサスペンスともコメディとも言えぬノンジャンル作品である。死体処理を扱うことでリン・ストップケウィッチ監督の「キスト」との共通点もあるが死への愛着は切り捨てられる。
青山真治作品としては血なまぐさいシーンが多いというのも特徴的だ。
どこまでがリアルで、非現実的なのかという現実との距離感が実に興味深く描かれている。それが極めて青山的ということだろうか。
明確な回答への道を迂回しながら、どこにもない何かへの道へ迷い込んでしまうように用意された事物は交わり、離散する。ゴダールがこの作品を見たなら驚くはずだ。