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欧州共同体―その内部矛盾と米欧関係 (1974年) (岩波新書)


岩波書店

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発売日: (1974) アマゾン売上ランキング: 601057 位
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時代の転換期の中で
 1970〜74年に欧州総局長を務めた、1925年生まれの産経新聞論説委員が、1974年(サッチャー以前)に刊行した、主として1968〜74年のEC拡大(6カ国から9カ国へ)に伴う変動の分析。この時期、経済面で戦後米国の圧倒的優位は危機にさらされ、欧米日三極体制が生まれつつあった。当時ECは関税同盟、共通農業政策(CAP)、未完成の通貨同盟という二本半柱の上に立っていたが、CAPは工業国西ドイツ、農業国フランス、従来旧植民地から安価な食糧を得ていたイギリス、農産物輸出を重視する米国の間の対立を惹起し、通貨同盟は各国の主権に関わる重大な問題を提起していた。また、EC拡大によってECは、EFTA、地中海連合、アフリカ・カリブ・太平洋に対する影響力を強化することが予測されるが、同時に旧宗主国と旧植民地との関係の再編成を余儀なくされている。更に多国籍企業の活動の活発化は、各国間のナショナルな対立と同時に、米欧入り混じっての資本協力をも進め、またユーロダラーの短期投機を活性化した。それに対して労働組合の多国籍化の進展も見られるが、欧州地域ブロック化の危険も指摘されている。欧州における移民労働者問題も、この頃から社会問題化していく。石油危機も、こうしたEC内外の対立に影響を及ぼしている。著者は、こうした大きな時代の転換を身をもって経験し、具体的な事例と共に、それを的確に言語化している。政治経済面の動向の分析が中心であり、欧州統合の困難な道のりが良く分かる本である。
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