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紫の砂漠 (ハルキ文庫) |
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紫の砂漠 (ハルキ文庫)角川春樹事務所 価格(new/used): -- 円 / 156 円 より 発売日: (2000-10) アマゾン売上ランキング: 351944 位 文庫 / 在庫切れ [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 5件 可もなく不可もなく続編も含めて、書けるところまで書いて投げ出してしまった感じ。キャラクターも魅力的だし、 世界設定もスケール充分なのに、読了後に飢餓感をおぼえるストーリー。もう2,3冊ぶん、 書き進めてもらえると堪能するかも? 下敷きになっている「闇の左手」や「ポストマン」の方が読み応えあって楽しいと思います。 素晴らしい世界観なのだが。世界観自体は確かに素晴らしいし、我々の想像力をかき立ててくれるので、それに関しては文句は無いのだが、ただ、本書の取り扱っているテーマとして、どうしてもジェンダーフリー論的な部分があり、その部分はいささか難点だ。この世界に生を受けてから、「真実の恋」に目覚めるまで性が確定しない(すなわち、性差は後天的であるという)とされる世界。親と子供の関係が確定せず、7歳になると、子供達は運命の親の下へと運ばれるという社会は、なんとなく昔のファランスティールを思い起こさせる。もちろん、フーリエの提唱したファランスティールと、この本書での社会的な営みは確かに異なるものだが、どうしても連想してしまうのだ。 とはいえ、著者の繊細な世界観を描き出す文章力はさすがだと思うし、その点では本書の評価は高くてもいいのではないかと思う。 日本語って素晴らしい。不遇な本である。ジュニアノベルを読むような年代からは作者が芥川賞作家ということで「難しそう」だと敬遠され、一方、推理小説やエッセイなどを愛読している層からは「ファンタジーである」ことで"読まず嫌い"される。 だがここまで日本語の魅力を引き出した本を自分はいままで見たことが無い。正直、「衝撃を受けた」といっても過言では無いだろう。 それでいてこれほどの世界を構築し、そこに住む人々の暮らしを描き出せる――ここに松村栄子という作家の力を、そして日本語という言葉の美しさを見た。 ただ、内容的には少々人を選ぶ。純愛小説...とまではいかないが結構なプラトンニックラブっぷりなので、そのあたりが平気な人は読んでみると良い。ちなみに自分は男だが楽しめた。が、友達(男)に貸したところ「こんな趣味があったんな」とのコメント。 「こんな趣味」てどんな趣味? ここまで何度読み返しても、面白い作品でした。 子供騙しのファンタジーではない。この小説の性質上、ジェンダーとかセクシャリティーに関する考察~ の様な諸問題に絡めて読まれたりするのかもしれないが、 まずは、そんな難しいことは気にせず、 異世界の話なのに実際自分もそこにいる様な気になれる自然の描写を味わい、シェプシの目線で紫の砂漠を眺め、畏れ、憧れ、恋するのだ。 |