檻の外 (Holly Novels)

木原 音瀬 - 蒼竜社 価格 ¥ 900
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檻の外 (Holly Novels)

木原 音瀬
蒼竜社

価格(new/used): 900 円 / 669 円 より
発売日: (2006-05-25) アマゾン売上ランキング: 3180 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 28件

喜多川の執念の賜物
堂野と喜多川の娑婆での再開後が描かれる本作品を読み進めながら、果たして二人は一緒になれるのだろうか、またそうなる場合、最大のネックとなる堂野の妻と娘にはどんな展開がありえるのかといろいろ想像してみたが、堂野の生真面目な性分を考えるとどうしても、妻子、特に娘を捨てて喜多川を選択するのはあり得ないんじゃないかと自分なりに結論を出した。が、ここで妻と娘を一気に切り捨てることが可能になる悲劇のエピソードが仕組まれていた。正直、こんなご都合主義な事象がそう簡単に起きる訳ないと思いつつも、こういうことでもなければ、堂野と喜多川が、というか堂野が喜多川に寄り添うことは決心できないだろうなとも思えた。

所詮フィクションとは思いつつも、さらに本作品を読み進めるうちに、喜多川の一途で迷いのない執念にも似た、そしてどこか原始的な匂いのする堂野への愛情が私の心にも存分に染み渡り、何度も目が潤んで胸が苦しくなった。愛し方を知らない男が誰かを愛してしまった姿は、大変痛々しかった。

「雨の日」では、堂野と喜多川の互いを思いやる日常が、「なつやすみ」では、人間味が増した喜多川が幸せな最期を迎えたであろう事が容易に想像でき、胸が熱くなった。

最後に、本作品の上巻にあたる「箱の中」の終盤で、喜多川が6年の歳月をかけて遂に手にした堂野の居場所が記された紙を握り締めた挿絵において、喜多川の祈り泣くような姿が強烈だった。何度も見返してしまった。

ちょっと大袈裟かもしれないが、「箱の中」と「檻の外」ともに、これらを読まずしてBLを語るなと言いたい気持ちにさせられた。
心が痛くて、でも幸福感も味わえます。
喜多川の愛は、まるで母親の後を必死に付いて回る雛鳥のように
無垢で、それゆえに痛々しい。
だけどその痛々しさが、堂野を惹きつけてやまなかったのでしょう。
この本のラストほど、幸せに溢れたBLは読んだことがありません。
悲しいのに、痛いのに、嬉しくて涙が止まりませんでした。

買って損は無いと思います。
涙が零れるほど感動
箱の中の続編ですが監獄から出た後のお話です。
喜多川はずーっと堂野のことが好きで探偵を使ってまで堂野を探します。
6年の歳月を経てようやく堂野を見つけます。
見つけた後も堂野は結婚していて子供までいるのですがそれでも堂野が好きで今の仕事をやめて堂野のそばにまで引越ししてきます。
2週間に一回という約束で喜多川は堂野に会い行く約束をします。本当はもっと会いたいのに・・・。堂野の方は友達としてならということで家に食事に招待します。喜多川は2人っきりで会いたいと行ったら、もう逢わないと言われてしまい、友達のままでいることに・・・。
堂野の子供が可愛くてほとんど毎日堂野の家に行くようになります。
最初戸惑っていた堂野も喜多川に子供を預けたりしていくようになります。
奥さんの浮気で浮気相手の奥さんが子供を殺してしまいます。その時の目撃者が喜多川に似ているといったので喜多川に容疑がかかってしまいます。疑われても檻に入れられても喜多川は堂野を恨んだり怒ったりしませんでした。一途な愛を貫き通していました。
そんな気持ちが通じたのか堂野も喜多川に再度引かれ一緒に暮らすようになります。
喜多川の生涯を描かれた本です。久々に胸が熱くなり感動できるすばらしい本だと思いました。
泣いて目が腫れました。
私は前作の「箱の中」の存在を知らずに本屋で目にとまったこちらから読み始めたのですが、
前作を読んで無くても十分に楽しめる本でした。
読み終えた今、「箱の中」が読みたくて仕方ないので明日買いに行こうという勢いです。

本の序盤からただひたすらに堂野を愛し求める喜多川の姿が読んでいて切なくなりました。
複雑な人間模様・背景の内容ですが、文面は緩やかな調子で著されていて、
それが一層切なさや悲しさを引き立たせているなと思いました。
読者の私にとっては悲しくて切ない最後でしたが、
喜多川はそれでも幸せだったんだろうなと思うと、心がポワッとしました。
涙無しには読めない作品ではないでしょうか。
何度も泣きました
この本はBLという括りには収まり切れないお話だと思います。今まで読んだどの作品より、登場人物の様々な想いが絡み、個々として悩みを抱えています。在り来たりな美形設定、オールマイティーな存在でなく、実際に存在するどこかに今も生きている人達の人生を書き綴ったかのような深い小説です。喜多川の想いがあまりに純粋で、切なくて泣けました。前作の「箱の中」とこの「檻の外」で喜多川の人生が書き上げられています。とにかく、おすすめしたい作品です。