馬産地ビジネス―知られざる「競馬業界」の...

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馬産地ビジネス―知られざる「競馬業界」の裏側


イーストプレス

価格(new/used): 1,680 円 / 448 円 より
発売日: (2002-03) アマゾン売上ランキング: 206644 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 5件

最適の牧場入門本
単に机上で雑誌等の資料をもとに安易に仕上げた本では決してなく、馬産地を時間をかけ、くまなく歩き回り丹念に関係者に取材をし苦心の末、馬産地の現状、惨状を浮かび上がらせている。
印象に残ったのはやはりどこの分野でも成功しているところはしっかりした考えをもって努力と投資を惜しまず取り組んでいるということ。

本書は飾らない表現で書かれ好感が持て、この人の他の著書も読んでみようかと思っている。一口出資をはじめ馬産に興味を持った人は一読の価値がある。

文章がすきなんです。
2つのおもしろさがあります。
1つは、かざらない文章です。自然と牧場の光景が浮かびます。すががしい光景や、辛い光景と様々です。たくみな描写で・・・
次に、競馬社会について、牧場経営という視点から問題を投げかけてます。今なにが問題なのか、ファンとして考えされられます。
著者の競馬への愛情が感じられる好著!
タイトルが「馬産地ビジネスー知られざる競馬業界の裏側」となっているが、裏話を取り上げているのではなくて、競走馬の生産現場、即ち牧場の現在の様子を真面目にルポしたものである。
バブルの崩壊、地方競馬の衰退、外国産馬への開放などで、日本のサラブレッド生産地として発展した北海道の日高が衰退しているといわれている。

この様子は耳にすることは多いが実態はなかなか知られていない。著者は、直接、牧場を回って生産牧場の経営者や北大などの研究者にインタビューを重ね実像を描き出すことに成功している。

ここに、示される牧場の苦境は、他の産業にも現われている状況と同じであることが分かる。海外との競争、国内景気の悪化によって同じ牧場経営でも明暗がはっきり現われてきている。最初から最後まで読むと、牧場に限らず、あらゆるビジネスで成功するものと衰退するものの共通点が見つけられる。

著者の競馬を愛する気持と馬産地の人たちの気の良い人柄が感じられ、競馬という世界への興味が一段と湧いてくる。
競馬だけの問題としてでなく、企業経営者が読んでも参考になる点が多いと思う。

馬産地の実情と今後の競馬界の問題点を浮き彫りにしたルポルタージュ
 馬産地で生活していることから、タイトルのみで興味を惹かれ読みましたが、いい意味での表の馬産地の実情をルポルタージュとしてまとめていました。地方競馬が次々と廃止に追い込まれ、JRAも売上減が続いている現在、生産地では何が起こっているのかは、実際に生産に携わっている人や馬産地に住む人でなければ分からないことでもある中で、本書はある程度しっかりと生産地の実情が多くの取材からも読み取れます。競馬ファンにも中々生産者については知られていない部分もありますし、多くの競馬ファンにもこの実情を知ってほしくも思いますし、更なる競馬界の奥深さを感じるのではないかとも思います。ただ、欠点と感じたのは確かに中小の個人牧場の取材もあったものの、比較的大手の取材が多く、家族経営の個人牧場の実情をより多く書いてほしかったということと、これは表には書けないことかもしれませんが、調教師と生産者との関係、更には厩舎に馬を入れてもらうための金の流れなど、本当に知られざる競馬業界の裏側にも着手してほしかったです。ただし、ルポルタージュとしては生産牧場の実情、競馬を取り巻く環境、ビジネスとしての競馬の側面、多くの問題点を伝えており、今までにない競馬の本音が書かれた1冊です。
馬産地の生の声が聞こえる。現場の声を知らずして血統語るべからず。
競馬ファンはおのずと血統を語りたがるもの。

しかし、その血統で生活している生産者が何を思い、語るのか。それを知る機会は非常に少ない。本書は元リクルートの編集者である著者がアグネスデジタルの天皇賞の配当金を元手に私費を投じて北海道に入り込み、馬産地の超大物から期待の若手生産者、果ては馬産を捨てた者にまで、まさに「日本の馬産を網羅した一大取材ルポ」。

馬産地経営に焦点を置いた内容で、社台やマイネル、メジロをはじめとする彼らの経営哲学が明らかにされている一方、先の見えない馬産の問題点をくっきりとあぶり出し、今後の日本の競馬の基礎となる馬産はどうあるべきか、をクールに提言できている。

それは一般企業で働いた経歴を持つ著者だからこそできた事で、彼が競馬好きの!!文学青年でもなく、競馬社会の中で育った人間でもないからだ。

馬産地の有名人と顔なじみだとする表現は多少鼻につくが、これだけ難しい問題を軽快に書き進められる筆力のおかげか、私的にもここ数年で最も熱心に読み込んでしまった競馬本となった。

個人的には、この本は本年のJRA馬事文化賞の最有力候補である、と思う。