必読書150

- 太田出版 価格 ¥ 1,260
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必読書150


太田出版

価格(new/used): 1,260 円 / 378 円 より
発売日: (2002-04) アマゾン売上ランキング: 135319 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 3.5 / 総数: 35件

愛情のない啓蒙書!
この手の本を流行らせたのは、自称スーパーエディター安原顕であろう。安原は生前から毀誉褒貶が激しかったし、死後はムラカミハルキの生原稿を古本屋に売っていたとかで、ムラカミ本人から『月刊文芸春秋』誌上で「告発」されていた。
しかし、安原の作ったベスト本は面白かった。何を隠そう評者もこの手の本が好きなのだ。効用は読みもしない本を読んだ気にさせられること。自己欺瞞の醜い喜びだ。

とはいえ、こうした本作りの「啓蒙精神」やその受け皿である知的向上心は完全に死滅している。「読まなければサルである」というキャッチフレーズも、多くの人の意識には届きはしない。さらには、この手の本を読んで喜んでいるのは、稲葉振一郎言うところの「ヘタレ人文系」の賃金労働者のうちの「最下層民」だけであろう(評者はその一人だ!!!)。柄谷行人や浅田彰、そのお仲間からすれば、ちょっとした小遣い稼ぎに過ぎない。久しぶりに本棚で目にして開いてみたが、ほとんどの文章のどのフレーズも一切参考にならない。そういう意味ではスゴイ本です。
いや、しかしそれより圧倒的思ったのは、「サルである」という脅しが、当時であれ、いまなら尚更、全く効果なしということに気付いていない筆者たちのナイーヴさだ。えっ? そんなこと端から誰も考えていない?
そうかただの小遣い稼ぎだもんなあ。ほんまに善意でいうところの「啓蒙」的な愛情のかけらもない駄本だ。ヤッさんにはそれがあったけどなあ。

読書目標として最適です。
「読書をする」と決めたからには、何かしらの目標が必要になると思います。

その目標を定めるときに本書は結構役に立ちます。

本書で紹介されている150の本はリストにもなっていません。
だから読書リストを自分で作る必要があります。
しかしこのリストを作る作業というのが意外と大事だと思います。
現在、自分がどれだけ読書したかチェックできるという素晴らしい機会だと思います。

結構、自分では本をたくさん読んだつもりになっていても、
このリストと照らし合わせてみると、
まだ〜%しか読んでいないのかということが客観的に分かります。

人の興味、殊に読書に関しては偏るものです。
いわゆる文学や、思想の分野に興味を持つ人にとっては、
このリストは自分の現在の位置を確かめるのに最適なリストとなります。
『必読書150』というタイトルにするから、憤懣百出したのでは?
書名からも分かるように単なるブックガイドです。
それ以上でもそれ以下でもありません。
本書の価格から考えても、出版は良心からのものでしょう。

ただ、こういうことを近畿大としてやるのであれば、まずはネットでやった方が良かったかもしれません。
もちろん、内容ももっと充実させてです。

ちなみに本書の中の一冊としてある磯崎新『建築の解体』、レム・コールハース『錯乱のニューヨーク』は、
私は自分の中では大好きな本ですが、建築を専門としていない人には厳しい内容ですし、建築を勉強している人ならば「必読本」は他にあると私は思っています。

同様に、それぞれの専門分野の方からみれば、同じような意見は出てしかるべきであるのではないでしょうか。

本書を読んで非常に面白かったのは、浅田彰氏が担当分として出した中にジャック・デリダ『グラマトロジーについて』をあげていることです。
デリダの主要著作として有名ですから、そういう意味では別に異論も何もありません。
しかし私はこれを浅田氏らしい「意地悪」として捉えていますが…こういう言い方は私の「意地悪」でもあるようですね。
無い物ねだりは止めましょう
皆様、大真面目(おおまじめ)に、親の仇(かたき)のごとく、必死になって、けなしていらっしゃいます(笑)。
それほど、目の敵(かたき)にする程、ひどいブックガイドなのでしょうか?

本書の「必読書150」の明細がないので、自分でパソコンで手打ち入力し、エクセルのファイルにまとめてみました。
人文社会科学50/海外文学50/日本文学50の、それぞれのリスト全体を見渡してみたところ、たとえば、凡百の必読書百選などと
比べて、特に劣ったところは無いように思います。だからと言って、飛び抜けて優れたと言う程のものでもありませんが。

海外文学50、日本文学50などは、私に言わせれば、むしろ平凡な選択ですよ。
科学書が無いと、無い物ねだりをされていた方もいらっしゃいましたが、一冊の本に
あれもこれも要求するのは無理な相談ではないでしょうか?
そんな完璧な本など、この世にはありません。

たとえば、香山リカのある本のレビューを見たら、提言ばかりで解決策が書いていないと、
依ってたかって、罵倒していました。これも「無い物ねだり」の一種です。一介のテレビ芸者に
世の中の理不尽なことすべてを解決せよと迫るのは、これも「無理な相談」の一例です。

選者にも得意分野というものがあります。人文社会科学50の中に経済学が2冊しか無いとか言っても始まらないでしょう。
50冊に限定したら、名著の何冊かは漏れるのが当たり前。本書に入っていない名著は、他のブックリストなどで補完すればよろしい。

選んだ本の数が足りなければ、次のブログを見てみては、いかがでしょうか?
「松岡正剛の千夜千冊」
新刊で買うと10万円近くしますが、分厚い8冊の本でも出ています。

そんな、つまらないことで目くじらたてて、一大事だとばかり、鬼のように糾弾するのは、血圧が上がって脳溢血(のういっけつ)で倒れる元です。みなさん、怒るのも、たいがいにして、体に気を付けて長生きしてください。
この程度の本で怒るよりも、世の中には、もっと真剣に怒るべき対象が五万とあるのですから。
公共圏思想
本書はポストモダン的にフラット化する社会に対応すべく、議論の最低限の土台を提示している。もちろんこれはモダンな発想ではあるが、それをポストモダンな身振りにおいておこなっている点に、ぎりぎりの交渉地点を感じさせる。そしてそれが芸になっていて楽しく読め、かつ読む気を起こさせる書き方になっている点において、ガイドブックとしての役割を十全に果たしている。「サル」という言葉に拒否反応を示すヒステリックな反発は当然の帰結だが、「サル」なる語の修辞性さえも捉えかねる読者が増殖している社会で必要とされる、最低限の歴史的蓄積への魅力的ないざないとなっている。