方舟

- 太田出版 価格 ¥ 1,260
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方舟


太田出版

価格(new/used): 1,260 円 / 800 円 より
発売日: (2000-12) アマゾン売上ランキング: -- 位
コミック / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 12件

歴史に残る コミックアート!!
日本が世界に誇るマンガ文化。
その中でも特出した「コミックアート」が本作です。

絵自体が緻密で優れている!というわけではありません。(むしろ雑!)
ストーリーが奥深いというわけでもありません。(むしろ変!)

本作には作者の訴えがコミックとして具現化しているのです。
それの訴えは静かでもあり、美しくもあり、目にする人に芸術作品のように忘れえぬ印象を残します。

コミックという媒体を使ったアート本なのだと感じました。

ストーリーは長雨で世界が沈んでいくということですが、設定自体は現実的ではありません。
1年は生存できる原子力潜水艦だって、大型旅客船だって、この世界には存在します。
しかし、それらのものが全くないが如く、方舟だけが唯一の生命線のように物語は進行します。しかし、それに何の違和感も感じさせません。

それは読者をコミックアートの中へ導かれているからだと思います。
ディズニーランドにいる時に、「夢と魔法の王国」に浸れるように‥

本書を読んでいる時には しりあがり寿氏の世界にどっぷりと入れるのです。

世界に誇れるコミックをどうぞ‥
start from end of the world.
「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう。」
レヴィ=ストロースのこの言葉に触れて初めて合点がいった(ような気がした)。

「この期におよんで まだ希望だと・・・」
漫画表現はここまで来たのか、と。遅ればせながら思い知らされた。
しりあがり寿、恐るべし、である。
『ジャカランダ』と併せて読まれたし。
静かな終末
ジャラカンダを読んでから方舟を読みました。
どちらも終末の物語。

ジャラカンダはバイオレンスとカオスの終末。
とってもダイナミックで痛そうだけどパワフル。
破壊し尽くすジャラカンダに創造の萌芽が見えなくもない分、
すごく痛そうだけど、パワーも感じる。

方舟は淡々とした(ただ雨が止まない)状況の中、真綿で首を絞められるみたいな、
知らない間にじりじり追い詰められて逃げ場がなくなるみたいな終末。
静かで美しいとも言えるけど、どっちが恐いかって私はこっちが恐い。(好みだろうけど)

どっちが読んでて気が塞ぐかというと、私は断然方舟の方がへこみました・・・

世界の終末をリアルに感じる
これはよかった。面白かった。
徐々に世界が終わっていくマンガ。

本当にただそれだけなのだが、
人々がパニックに陥っていく描写がリアルで怖い。
世界が終わる要因が
ただの小雨なのも余計に怖い。淡々と終わりが近づいてくる。

「しりあがり寿」独特の、鉛筆で書き殴ったような絵が
内容の深刻さとのギャップでいい味を出している。
人の世の終わりが来ても日常へ…
それぞれが世界の終わりが近づいても日常を過ごし、少しだけ違う日常を過ごすつもりでいる。
希望もなく、そして絶望すら感じることも出来ず、静かに滅んでゆく。
今まさに、滅ぼされてゆく方の視点を描いているんですね。
あとがきが何とも言えないですね。ずっしりと来る。
自然に逆らうこともあたわず、仕方なしに受け入れて行く、そして人は未来(希望)を思い描くことさえ忘れ、神から裁きを受ける、というわけですね。
名作です。