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新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine BOOks)


ブルース・インターアクションズ

価格(new/used): 1,680 円 / -- 円 より
発売日: (2008-07-04) アマゾン売上ランキング: 2369 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 12件

ベルク先生! ありがとう!
「お金で買えないものを人は求める」
馴染みのあることばですが、
では「お金で買えないもの」っていったい何だろう?
答えとして「夢・愛」などが返ってくることが多いのですが、
形がなく曖昧で、私などは雲に乗るような気分になってしまうことがあります。
でも本書を読んでこう感じました。
「人はベルクを求める」と。

ずっとずっと情熱をかけられるもの、
情熱を継続できる具体的な物が欲しいんじゃないでしょうか。
「夢・愛」等とは違って、
ベルクはお店として新宿に存在しますから、
具体的な形として目に見えます。
ベルク店主ご自身が執筆された本書は
情熱をもって生きる、多くの人の胸に響くのではないでしょうか。
または情熱をかけたい「何か」を模索中の人にも振動があるのでは?

本書はエネルギーの凝縮です。
ベルクという小さなお店を切り盛りしてきた著者の切磋琢磨が
難しくない言葉で読者へ語りかけられます。
口語体なので、読みやすく親しみやすいですね。
まるで「ベルク先生」という感じ。
ふだん本を読まない非読書家の私でさえも、2時間程度で読了しました。
ただし2日間に分けて、一日1時間ずつになりましたが、
途中で本を閉じるのが惜しかったほど!
ベルク・ビートと言えばいいでしょうか、
ベルク店内に渦巻いているアップ・テンポなリズムに乗って、終始快調に
ベルク・スタッフが展開してきたアイデアと足跡が惜し気もなく披露されますから、
著者の「哲学ともいえる姿勢」に共感を覚える人は少なくないはずです。
当然、私もその一人です。

が、「ベルクというお店自体」の魅力は1冊に納まりきれません。
本書はベルクにもっとも近しい方の足跡を充分に伝えてくれる極上の1冊ですが、
言葉では追い付かないエネルギーがベルクには満ちていますし、
ほっぺたが落ちてしまうほどのベルクの美味しいメニューの数々は、
言葉では、とうてい表現しきれない「味覚」なんですよね。
だいいち、ベルクのエネルギーや
お店に渦巻くベルク・ビートは「夢・愛」と同じように無形のもの、
ベルクへ行ったことのない方々には伝わりにくい気がします。
「ベルクへ行ってみて!」と切実に思うのですが、
遠方の方にはなかなか難しいですし、
そこで。ぜひ! ベルクの本・第2弾を作ってください。
たとえば、副店長であり写真家の迫川尚子氏によるベルクのメニュー写真なんて、
想像しただけでも、ああ、ヨダレが・・・!

本書に大感激した私ですが、
必ず誕生するであろう続・ベルクの本に期待を込めて、
あえて星4つとしました。
1冊におとなしく納まる方が不思議なんですよ、
ベルクって、そんな小さな新宿駅最後の「魅力ある個人店」なんです。
こんなお店に行きたい
個人経営の喫茶店というのはビジネスモデルとして、とっくに淘汰され、廃れてしまったと思っていましたが、本書を読んで、こんなにも元気な喫茶店(と言うよりもバー?)が新宿に生き残っていたのかと大いに驚きました。

たかだか一杯のコーヒーのためにここまで真剣になれる店員さんがいるという事、そしてお客はそれを分かっているからこそ、足繁く通ってくれると言う事実。一事が万事、お店のハートがが伝わる商品、サービスを提供する事を貫き続け、現在のような繁盛につながっている点に感動します。このようなスタイルの経営は大手のチェーン店では出来るわけが無く、これこそが個人経営のお店が生き残る方法なのだと分かります。

こういうお店はまだまだあるはずですし、是非見つけてみたいと思いました。
生活の楽しみ
新宿駅の中にある“早い、安い、うまい”がモットーのカフェ、ベルク。
その舞台裏を覗いてみたいという好奇心で読んでみた。

喫茶店として始まり、いわばその家業を継いだ形ながら
まったく新しい顔に作り替えた現店長さんの語る

(スタッフは)食べたり飲んだりする楽しみが、生活のなかに溶け込んでいる。

私たち自身がしょっちゅうベルクを利用します。

仕事が遊びであり、遊びが仕事であるなら、無駄なことはけっして無駄ではなくなりますし、あらゆることが知らず知らずのうちに反応し合い、結び付き合い、熟成されていきます。

などの言葉からは
商売というもの、やや大げさに言えば仕事と人生、の楽しみというものを
考えさせられた。
18年×1日平均1500人の声無き声が後押しする本!
JR新宿駅東口、左端の改札を出てすぐ左折&徒歩約10秒の場所に位置するビア&カフェ「ベルク」。本書はその経営者である別姓の夫婦が、互いに切り拓いてきた道を回想(ときには現在進行形の話も)するかたちで本文が進められてゆく。
「本当は飲食店なんてやりたくなかった」世間知らずの一人の若者(著者)が、親に頭を下げ、一念発起して一番下っ端から親の経営する喫茶店に入り現在の「ベルク」の土台を作ってゆく。そのとき著者は28歳。それから18年の歳月が過ぎ、「ベルク」は親の代の純喫茶から、1日平均1500人もの利用客でにぎわうビア&カフェへと成長した。ベルクを応援するブログでは、今は遠い土地へ越してしまったかつての客からも「頑張れ!」とメッセ―ジが届く。ベルクはそんなお店だ。
…と、このように書くと「そんな一等地でやれば成功するに決まっている」「親のすねかじりかよ」と思われる方も、なかにはいるかもしれない。だが、新宿という街は、立地だけで商売が成り立つほど甘い土地ではない。そして実際にベルクに一度でも足を運んでみれば、ベルクが支持される理由が分かるだろう。お世辞にも広いとは言えない店内、混雑時には客の半分は立っている(カウンター席)。それでもレジ前には行列が絶えず、なのに店内には殺伐とした雰囲気など微塵もない。店内では男も女も、グループも独りも、何ひとつ気がねすることなく自分の時間を満喫している。それを支えているのは、化学調味料とは無縁の吟味された食材と、これまた美味くて安いビールをはじめとする飲み物類だ。もちろんコーヒーも断トツに美味い。いまどき、210円(!)でブラックで飲んで「甘味」のニュアンスを感じさせてくれるコーヒーが、果たして全国に何軒あるだろうか。自慢のホットドックやハム類は、はじめて口にした人は「何か物足りない」と感じるかもしれないが、物足りないまま、すぐに「お代わり」がしたくなっているハズ。そこがミソである。
ベルクのもうひとつの顔は「壁」だ。森山大道など、写真家を目差す者なら目からウロコの写真家や作家たちによる作品がさり気なく展示されている。毎日山盛り人が訪れ、店側からも日々何かが発信され、空気が澱むことがない。まさに新宿を代表するカフェと言っていい。
ベルクがなぜ「ベルク」に成り得たのか?その答えが本書にはある。詳しくはぜひ購入して読んでいただきたいが、そこで示されているのは、意外なほどの正攻法である。自分に何もなければ、ある人(職人)を探し出す、しかし任せっきりにはしない、常に対等でいられるよう自分たちも切磋琢磨する。美味くて安いものをお客に出すための苦労は厭わない。主人公はお客である…そんな当たり前の、しかし実践するのはたやすくないことが著者と協同経営者(夫婦)の肉声で語られている。
ベルクは現在、駅ビルオーナーのルミネから無理矢理「出ていけ」と圧力をかけられている。圧倒的な大企業の力を前に著者は、自らの存在価値を店舗存続の署名というかたちで客に問うた。その答えは、すぐに1万人もの無名の応援というかたちで返ってきた。普段は黙ってベルクに通っていた著名人も躊躇せず声を挙げた。新宿、秋葉原の書店ではベルクを応援したい書店さんがフェアを行ない、それは大きなうねりとなって今も続いている。
1日平均1500人×18年の実績を誇るカフェの活きた哲学が、まさにここにある。
新宿の文化として発展してほしい店
カフェ(他の飲食店もそうだろうが)はお客さんとともに育つ一種の文化であると強く感じた。飲食店経営に限らず、効率性重視のもとで接客があまりにも画一化されてしまったお店が多い。そのような中、この本では独自の売りを育てるために孤軍奮闘する個人店の商売の努力の様子がリアルに描かれ、面白くも考えさせられる一冊であった。そしてそのような仕事への取り組み方は、あらゆる業種を超えて応用できるものだと思った。ベルクは、10年以上前の学生時代によく仲間と利用した。勤め人となってからも新宿東口を通るたびに磁石に吸い寄せられるように入りたくなる店である。この本を読んで、その魅力が改めてわかった。そういえば、以前ヨーロッパのある街に住んだことがあるが、そこの中央駅にもベルクのようなターミナルを利用する多種多様な人々の入り乱れた雰囲気の漂うカフェがあった。駅周辺のカフェがドトールとスタバばかりでは淋しい。お客さんとともにカフェの文化を育むベルクのようなお店にはぜひ頑張ってほしい。