猫の地球儀〈その2〉幽の章 (電撃文庫)

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猫の地球儀〈その2〉幽の章 (電撃文庫)


メディアワークス

価格(new/used): 557 円 / 184 円 より
発売日: (2000-04) アマゾン売上ランキング: 24024 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 9件

一言で言えば
 これは夢の物語である。
 宇宙に浮かぶコロニーの中、地球に行きたい猫がいました。地球に行きたいがために今までに数え切れないほどの猫が犠牲になりました。猫はその夢をかなえるために頑張りました。けれど、猫は夢をかなえようとするのに必死でずっとひとりでした。しかし、自分が利用して、そして殺しあいをしている猫を慕う猫が友達になってくれました。けれど、その猫は……。
 夢って何でしょうか。この作品、ずっと夢をいい感じにかいてきたのに、最後にそれをひっくり返すというものすごいことをやってのけた作品です。
 ぶっちゃけ、これは大傑作です。
それぞれの結末
けっしてハッピーエンドではないことは言っておきましょう。
そのくらいの覚悟がないと幽(かすか)の章は読めません。

涙が止まらなくなります。
最後にだったら分かるんですけど、中盤からハンカチが必要かも……
それぞれが幸せだったのかもしれません。

焔(ほむら)だけが消化不良になってしまっているのが残念です。
神(かぐら)は読んでから皆さんで考えてください。

結末は私はハッピーエンドだと思いますよ。
取り方によっては最悪のエンディングかもしれませんが……

夢って?
簡単に言うと結論が無いです。

夢を叶えようとする猫がいるのですが、最後では叶ったかどうかよく分からない結末になっております。
それが好きか嫌いかは個人によりますが、僕は好きです。

実を言いますと本を読んでて、涙流しました。
マジです。
といっても、挿絵があってその挿絵を見たときに、こみ上げてきたのですが。

夢とは手前勝手なもの
「もうやらない」と言ったのを翻して、焔に勝負を挑む幽。そして、その勝負の最中に…。

この作品では、夢を貫いた結果がどうなっていたのかは明らかになっていない。普通ならば、それはハッピーエンドなのかも知れないが、そうとも言いきれない何かが残る。「夢とは手前勝手なもの」「夢を貫くことで、誰かが迷惑を被る」。読了後の余韻が、それを雄弁に物語っているように感じられる。
「幽の章」は、「焔の章」で行われていた、人物紹介であるとかが全て終了し、話自体が一気に進行する。「焔の章」は、やや人物(猫物?)紹介でややスローなイメージがあったが、それがうまくこの巻で生きてくる。見事。
余韻の残る作品だ。

考えさせられる話
猫の住むコロニーの話だけど、この世界の猫のやっていること、考えていることは全てにおいて人間と繋がるものがあります。

対象を猫にすることで作者の他作品「イリヤの空」や「E.G.コンバット」のようなキャラクターに対する感情移入よりも、他視点からの考察という方が強くなっていて、その分読み手に考えさせていて、そこら辺のアイディアがさすがだと思いました。

ジャンルこそSFだけど、必死に自分の夢を追う猫達の交流と衝突を通して、人の生き方について鋭く丁寧に語られた傑作です。