家事労働の達し得る高み
いわゆる「奥様雑誌」の節約特集は、あまりにせこく、みみっちく、「貧しさ」と直面させられるみたいで読んでてつらい。さくらももこがどこかでくさしてた、「キュウリにハチミツかけて、あらメロンの味がする!」にどこか通じるものがある。顔をおおいたくなるような「手抜きのすすめ」もあって、一言で言えば「人の道」に外れている。
しかし、この本のレベルは高い。「クロワッサン」の特集記事や掲載される悩み事のレベルが「婦人の友」にはるかに及ばないこと以上に、それは明らかである。ここには「せこさ」の微塵もなく「シンプルさ」があり、「みみっちさ」のカケラもなく「合理性」が存在する。家事労働の達する高みがある。
しかし、この本のレベルは高い。すべての人にこのレベルを要求するのは酷な話だ。世の中には「私もダンナじゃなくて嫁さんが欲しかったんだ」と言えなかったばっかりに、今では「主婦バッシング」で糊口を凌いでいる人もいる。
しかし、すべての生活者にこの本は役に立つ。この本のレベルは高いが、すべてを実行に移せなくてもかまわない。
知恵はいくらでも、そしていくらかずつでも盗むことができるのである。