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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミ... |
| - 富士見書房 価格 ¥ 900 | |
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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)富士見書房 価格(new/used): 900 円 / 198 円 より 発売日: (2004-11) アマゾン売上ランキング: 31782 位 文庫 / 在庫切れ [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 26件 青春暗黒ミステリー!と題されていますが、推理性はほとんどありません。 早く大人になることを望む少女と、自分を人魚だと言い張る二人の少女が出会い、儚く揺れ動く。 ー全ては生きるために、生き残っていくためにー。 甘ったるく、腹の足しにならない砂糖菓子の弾丸と、現実を生き抜くための実弾。 大人になるまでに誰もがこの二種類の弾を自身に込め、必死にぽこぽこと撃っていた。 自分は登場人物の思いに多く共感でき、昨今ではもはや珍しくもなくなってしまったニュースに、ふと耳を傾け、もう一度思いを馳せる良い機会になりました。 本作は200P程で、十代半ばの方でも読み易いすっきりとした文なので、興味のある方は一度手に取って見て下さい。 余談として杉基イクラさんの描く漫画版(上・下)も、原作の補完としてお薦めです。 世の中にはそう珍しくはないこと「少女らしさ」という大人が持ちがちなファンタジーにそぐわぬであろう、衝動と暴力、苦境と慟哭を、あえて桜庭は取り上げる。 ラノベであるが、内容は夢物語ではない。虐待の現実にそぐう内容である。困窮の現実にそぐう内容である。同種の困苦を背負う少女たちは、少年たちも、現実に多い。 成長の物語と言い切るには、本人の手の届かないところでつきつけられる限界が大きすぎる、そういう課題を与えられた子どもたち。 奇麗事に聞こえるかもしれないが、だから、それでも、子どもたちに安心を確保するべく奮闘している大人たちもいる。 そこまで言及することで、桜庭は子どもが主人公たちに投影するであろう、「敵は大人」というファンタジーもやわらげてみせる。 生き延びることができさえすれば。生き抜くことさえできさえすれば。 砂糖菓子の弾丸しか持たない子どもたちが、そんな弾丸でも十分に戦って生き抜くことができる、安心な世界であれば。 砂糖衣に覆われて隠されているものに思いをはせる読書になった。 砂糖菓子の弾丸は…純粋に話の組み立てや伏線の使い方は巧いし、登場人物は美しく、独特で、でもどこか共感できる部分を持っている。 文句無しの傑作である、のだが私には毒が強すぎたのか、軽くトラウマになりつつある作品でもある。 あの恐怖感に近い読後感はなんともいえない。 この作家はバイオレンスの取り入れ方が本当に巧い。 スカートの中の痣とか、「嘘だから、平気」という言葉の中に伏せられているからこそ、逆に痛々しいほど「暴力」の怖さは引き立っていた。 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」といいつつ、私の心は蜂の巣状態にされ(笑)、色々なことを考えさせられる作品だった。 かつては自分も撃っていたはずなのに。鳥取県の田舎町に住む少女ふたりの、1ヶ月間の物語です。 彼女たちは中学2年生。 リアリストのなぎさは、社会と戦うために感情を押し殺し、実弾を求めて生きている。 父親から虐待されている藻屑は、傷つけられながらも愛している父親と、誰も味方がいない自分を守るために、嘘で塗り固めた砂糖菓子の弾丸を撃ち続けている。 そんななぎさと藻屑に芽生えた奇妙な友情と、彼女らを取り巻く大人や家族、同級生たちとの日常が、桜庭さんらしい瑞々しい筆致で展開していきます。 そして、藻屑の死で、物語は幕を閉じます。 (もっとも、藻屑の死そのものは冒頭でネタバレされるのですが) 藻屑が殺される前に、なぎさは藻屑と一緒に逃げ出そうとします。 箱庭のような街から。 ふたりでうまく逃げ出せていたら、結末はどうなっただろう。 きっと、遅かれ早かれ、藻屑はやっぱり藻屑になったのでしょうね。 だって、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないのですから・・・。 今日も子どもたちは、声なき叫び声を発しながら、砂糖菓子の弾丸を撃っています。 かつては自分も撃っていたはずなのに、大人たちはそれに気がつきません。 とてもとても哀しい現実です。 この作品は、いつの間にか大人になっていた私に、あらためてそれを気付かせてくれました。 救いがあるのは、藻屑の撃った砂糖菓子の弾丸が、なぎさや友彦の心は撃ちぬけたことかな。 惜しむらくは、設定がとても雑なこと。 これは編集者の責任ですね。 それぞれのキャラが魅力的なだけに、そこだけちょっと残念な気がして、★4つ。 何度読んでも飽きることがない私はやはり、単行本ではなく文庫のほうをおすすめしたい。 甘い絵と苦い文章との大きな「ずれ」がないと、自分自身がその世界に完全にのみこまれてしまうと思う。あまりにも脆い精神と強く望むものとが小さな場所に入り組んでいて、息ができなくなる。 一度読んだだけで、すべてを理解できる人はほとんどいないと思う。何度も読み返し、その中で新たな見方や、真実を知ることができる作品だと思う。 |