ふしぎな島のフローネ―家族ロビンソン漂流...

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ふしぎな島のフローネ―家族ロビンソン漂流記 (竹書房文庫―世界名作劇場)


竹書房

価格(new/used): 890 円 / 120 円 より
発売日: (2004-03) アマゾン売上ランキング: 133357 位
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フローネの両親の教育方針に共感
アニメ放送当時はフローネの目線で見ていましたが、今、その両親の気持ちがわかる気がします。
夫婦で子供たちの教育方針を話し合ったり、貝殻集めに夢中になる末っ子ジャックのことを「こんな無人島で楽しみを見つけられるなんて素晴らしいことだね」と、フローネたちの前で親としての考え方を話すシーンもよいです。

心優しい両親ですが、フローネが約束をやぶって迷子になった時は、母親アンナはムチでお尻をぶって厳しく罰します。
父親エルンストも「一人の身勝手な行動で、家族全員の命が危険にさらされることもあるんだよ」と諭します。
家族の中でいちばん苦悩したのは、思春期真っ只中の長男フランツではないでしょうか?
無邪気なフローネとちがい、事の深刻さもわかっています。
両親にとっても頼りになる息子だったとことでしょう。
まあ、フローネの能天気さも、父親エルンストに言わせれば
「あんなふうに何でも楽観的に考える気持ちが、今の私たちには必要かもしれないな」と長所になるのですが。

星4つなのは、せっかく自然の美しい南の無人島が舞台なので、もう少し風景描写を入れてほしかったからです。
純粋「名作」批判―家族ロビンソン漂流記 不思議の島のフローネ―
 現在の物質的に恵まれた人々がロビンソン一家のような境遇に置かれたとしたら、果たしてこの一家が「生」のために駆使した技術を実際に用いることができるであろうか。例えば、木登り、舟作り、農作業、狩り、火おこしそして家族の励ましあいなどである。現在農作業や狩りなどの仕事は分業によって行われている。したがって皆ができるとは限らない。そして日本を例に上げれば、児童虐待や家族間の会話の「非存在」など家族の連帯は揺れ動いている。
 むしろ現在において物質的に満足している人々からすればロビンソン一家のサバイバル生活は非現実に見えるかもしれない。もしくは理想の家族だと見ているかもしれない。また『フローネ』はファンタジー小説であると言う人も中にはいるかもしれない。

 日本などの国は科学技術の力で「より良い」生活を送れるようになった。その生活は自然とは隔絶したものである。例えば、道路はコンクリートで舗装され、山が削られてそこに家が建つなどである。この種の生活をする人々は自然との接触が少ない。そのため自然を認識することがあまりない。けれども人間はもともと自然の中で暮らしてきた。人間は自然の一部ではなかったか。そして自分たちが必要なものだけその自然の中から手に入れてきたのではなかったか。人間は自然と戦いながら、それを尊敬してきたのではなかったか。このように人間は自然とバランスよく付き合ってきたのではなかったか。

 『フローネ』は、現在俗に「先進国」と呼ばれる世界に住む人々に人間と自然の関係を再考させてくれる。そして『フローネ』は「家族」の連帯ないし他者との連帯の大切さと美しさを語りかけている。