すぐわかる画家別幻想美術の見かた

- 東京美術 価格 ¥ 2,100
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すぐわかる画家別幻想美術の見かた


東京美術

価格(new/used): 2,100 円 / 1,260 円 より
発売日: (2004-11) アマゾン売上ランキング: 386689 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 3件

歴史画や宗教画から、夢や無意識を扱ったものまで
 「幻想美術」と一言で言っても、歴史画や宗教画などのスケールが壮大なものから、夢や無意識などを扱った個人的なものまで、色々有るんですね。

 幻想美術の入門書にしては平易且つ詳細に書かれているのは良いのですが、「ルネサンス」「ロマン主義」「ラファエル前派」「象徴主義」「分離派」「シュルレアリスム」と言葉で言われただけじゃ理解出来ません。各流派の思想・成立・画風の詳しい説明が欲しかったです。
手頃な入門書
 先日、渋谷のBunkamuraミュージアムで「レオノール・フィニ展」を観てきました。パリを中心に活躍した野性味あふれるシュルレアリスム画家である彼女の作品に触れるのは初めてでしたが、幻想美術好きの私にとってまたひとりお気に入りの画家と知り合えた嬉しさがありました。

 その展覧会場の売店に並ぶ関連書籍の中に本書を見つけました。残念ながらレオノール・フィニについては触れていませんが、ルネサンス期のヒエロニムス・ボスから20世紀の巨匠マグリットやエルンストまで、およそ60人の幅広い画家の作品とプロフィールを簡潔に紹介しています。一作家に一作品ずつ図版入りで取り上げられています。
 フランシスコ・デ・ゴヤ(「わが子を喰うサチュルヌス」や「巨人」など)とポール・デルヴォーのような巨匠が含まれていないのは少々不満ですが、各画家の基本情報を得るには手頃な一冊といえるでしょう。

 退廃、幻視、超絶、絶対の孤独。
 そうしたイメージを仮借ない形で突きつけてくるところに、私は幻想絵画の大いなる魅力を感じています。本書の美しい図版を、溜め息をつきながら眺めました。

 今後新たに幻想美術を扱う書を出版するならば、以下の画家たちもぜひ取り上げてもらいたいものです。

○レメディオス・バロ(1908-1963):スペイン出身でメキシコに亡命。一昨年Bunkamuraで開催された「フリーダ・カーロとその時代展」でも幾つか作品が展示。ガルシア=マルケスの「百年の孤独」(新潮社)のカバー絵も彼女のもの。
○藤野一友(1928-1980):フィリップ・K・ディックの「聖なる侵入」や「ヴァリス」など東京創元社の文庫本カバー絵で知られる。福岡美術館にその原画が所蔵。
○HRギーガー(1940- ):エイリアンのデザインで知られる。
○ジェラール・ディマシオ(1948- ):フランスの画家。1992年に大丸ミュージアムで展覧会。

近現代美術が苦手な人にもお勧めです。
 ヒエロニムス・ボスの『快楽の園』から、ルネ・マグリットの『光の帝国』まで、およそ70人ほどの画家が登場する本書は、ほぼ一人一作品を紹介し、個々の作品解説と画家の生涯を含めた歴史的背景とが別個になっているので、非常にすっきりしていて読みやすく感じました。近現代が中心なので、ルネサンスがお好きな人には、ボスの他に、デューラー、グリューネヴァルト、アルチンボルドしか紹介されていないので少々不満に思われるかもしれませんが、聖書、神話、物語、変身などのテーマや「幻想美術」という視点からは、ダリ、キリコ、ムンクの『叫び』などといった有名な作品もあってか、現代美術の抽象画にみられる難解でとっつきにくいイメージの払拭と理解の手助けになると大いに感じました。