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遙かなる航跡 |
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遙かなる航跡Richard Collasse 集英社インターナショナル 価格(new/used): 1,890 円 / 277 円 より 発売日: (2006-11) アマゾン売上ランキング: 38377 位 単行本 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 5件 内容の前に日本人が読むということを意識して意図的にエキゾチックなスタイルの翻訳にしたのか そうでないのにこのようになってしまったのかどちらなのかわかりにくい。 読んでいて、てにをはにひっかかり、内容が つるりと頭にはいっていくのを妨げます。 新聞の連載小説だったらよかったかも。毎日楽しみにして少しづつ読めますから。 このように厚い本となって1冊めのまえに「どうぞ」と差し出されますと、 ストーリーのおもしろさ、内容の素晴らしさの前に、文体のなかの 違和感にひっかかりが多すぎて本当に残念な気がします。 想い出はその一過性によって美しい小説の形を取った日本論といった読み方も出来るし、「日本」と「西欧」との差異といったものを第一義的な主題と受け取ることも可能だろう。だが、「日本」と「西欧」の距離感は、「実年」の現実と「青年」の頃の理想という普遍的な対立項を際立たせるための小道具でしかない、といった読み方も可能だ。言葉によるコミュニケーションが拙いという点によって、若き日の恋愛のイノセントさが強調される。現在の自分は、「青年」の理想の延長線上ではなく、理想を否定することによって成り立っているという事実。想い出とは持続的なものではなく、その一過性によってこそ美しいという真実。 これは誰もがひとつだけ書くことの出来る「青春」という名のエピソードなんだろうけど、作品に厚みと奥行きを持たせているのは、やっぱ、「日本」と「西欧」って軸なんだろうな。これに時間を掛け合わせると「昔の古き良き日本」と「資本によって西欧化された日本」ってことだろうけど。小説に深みをもたらしているのは著者の立ち位置だよね。どうしても堤清二=辻井喬が頭を掠めるんだけど、著者はシャネル日本法人社長な訳で。著者の青年時代と「昔の古き良き日本」への憧れ、実業家としての現在と「資本によって西欧化された日本」ってのは見事に対応している。恥じらいとか節度のなくなった日本人を小説で嘆きつつ、実業家としては日本人のブランド漬けを生業としている。そうした両義性がベースにあるから面白いんだけど、最後の“バスケットボールのゴールの支柱に、柔道の帯を使って首を吊った”っていうあからさまなメタファーによる息子の自殺ってエピソードは???。いきなり“この国の硬直した社会の不寛容、愚かさ、幼稚な人種差別”って煙幕張られても。それが落としどころじゃないのは著者が一番知ってるだろうに。この拙速な物語の終わり方に、仕事に追われて執筆時間の取れなかった実業家の側面が出ちゃったね。 心に深く残る素晴らしい一冊この小説を読んで、舞台となっている瀬戸内の島にどうしても行きたくなって先日旅してきました。穏やかな瀬戸の海が太陽に照らされてきらきらと輝く様子は本当に美しかった!そして読んでいる時に心に浮かんできた風景が本当にそのままの姿だったことに驚きました。自然の美しさ、愛の美しさ、それぞれの描写が素晴らしい。そして時には美しい死というものもあり得るのかもしれないと考えさせられた心に残る一冊です。 魂の彷徨ビジネスの世界で功績を遂げられた方が、文学の世界でこれほどの素晴らしい作品を書くとしたら、一体プロの作家は一体どうしたらいいのだろう? 本書は惑いの中にたたずむ一青年の、美しい魂の彷徨である。至高の純文学である。愛にどう決着をつけたらいいのか・・・誰でも若いときに思い悩むことがあるがその答は出ない。自然と少女、波間にきらめく愛、心が震える描写。私は読みながら20歳の娘にもどっていた。この方の作品をもっと読んでみたい。社長職はほどほどにして、せっせと書いて欲しいです。勝手なことを言いましたね。 懐かしさと情緒情景が映像となり、まるで頭のように映画が流れているように、情景が浮かぶ文面ととても大胆で、でもとても真面目さを感じるストーリーでした。最近明解に「答え」を提示される本が多いように感じ、またそれを好んで読んでいたようにも思いますが、ずっしりと重く考えさせられる1冊でした。そして美しい情景があたたかく心に残りました。 |