ホーキング、未来を語る (SB文庫)

佐藤 勝彦 - ソフトバンククリエ... 価格 ¥ 788
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ホーキング、未来を語る (SB文庫)

佐藤 勝彦
ソフトバンククリエイティブ

価格(new/used): 788 円 / 123 円 より
発売日: (2006-06-29) アマゾン売上ランキング: 14288 位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 5件

ホーキングの2球の剛速球
ホーキングは現代宇宙論に対して、2球の剛速球を投げ込んできた。

第1球
 時間は、実は、虚数で測られるものではないのか。
   これは、観測・実験等からの推測ではなく、純粋に数学的に
   「時間を虚数で表すと、数学的に空間と時間が同等となる」という発見から来たものだ。
   物理学者や数学者はこの指摘に驚いた。確かに数学的には、極めてエレガントな
   高次元でのあたかも「球」のような宇宙が出来上がるのだが、虚数で測られる時間とは
   一体何だろう、と議論が沸騰したのだ。

第2球
 ブラックホールは輝いている。
   これは、不確定性原理をブラックホールの時空の境界線上に適用すると、2つの仮想
   粒子の片方はブラックホール側に落ち、もう一方は、ブラックホールの反対側に
   飛び出していき、ブラックホールは、光る「球」のように見えるという指摘だった。
   ブラックホールはブラックであるという、宇宙論では、当然と思われていたことを
   ホーキングは打ち破ったのだ。

本著は、相対論と量子論及びその統一理論全体を扱っているため、ホーキング理論は
ある種の見えにくい「隠し球」となってしまっているが、ホーキングは自分の打ち立てた理論
にとらわれることなく、現代宇宙論全体を語ってくれた。

ここが名著の名著たる所以だと思うばかりだ。
イラストが綺麗!
高校までの物理の知識ではまったく歯が立たないです。イラストがなにやら宗教画のようでインスピレーションに満ち溢れています。このぐらいの発想が実生活の中でもできれば、クリエイティビティはかなり高いほうでしょう。車椅子にのった物理学者。身体的障害をもった人ってやはり天才的な能力を発揮しやすいものなのだろうか。
文系にはちとむずかしい
つい文庫本で、世界的な宇宙物理学者(でいいのかな?)が平易に書いた、ということをうのみにして読み始めたが、やはり文系人間にはハードルが高い。

ただ、ところどころ示唆に富んだ話があり(私たちの未来は?など)、わからないなりに読む意味はあると思う。

また、何年かしたら再チャレンジしたいと思った。
宇宙ひもの解説が特に良い
 1988年出版の「ホーキング、宇宙を語る」の時期から変化した宇宙論について2001年にあらためてホーキングが語る。ただし、前作のような直線的な構成ではなくて、木のような構成にしたとのこと。
 一般向けの宇宙論を一流の科学者が書くというのは、それだけですばらしいことだが、十分に面白いかというのは別の問題になる。タイムマシンとかワープとか、人間原理だとかの実証されていない論理・技術の可能性を面白く解説するのは、一流科学者の能力とは別の能力であって、残念ながらホーキングが特にその面で優れた才能を発揮しているわけではないと思う。
 宇宙ひもの理論について、これほどにわかりやすい解説書を私は他に知らない。その他にも示唆に富んだ項目がたくさんある。ただ、多くの物事が日常的な解釈の中でできてしまうという誤った期待感を読者によっては抱いてしまうのではないかと心配にはなる。
ホーキング博士の約5年前(2001年)の予言を今楽しんでみましょう
ホーキングの宇宙論、平易な言葉で語られているとは言え、内容はやはり難解です。(大学で教養の物理をこなしていたとしても、本当の処は難解) 予めこの分野に興味を持っていないと完全な理解は覚束ないですが、何となく分かったつもりにさせるところがホーキング博士の凄いところです。美しいイラストの数々を眺めているだけでも楽しい一冊です。
せっかく文庫本化したのですから、あとがきか何かでこの5年のアップデートを(簡単で結構ですので)載せておいて貰えたら、と思ったりしました。(特に「ブラックホールの情報消失問題」に関する博士の認識変更(2004年)に関しては補筆が欲しい処でした) 本書でも言及されていたブラックホール発生実験についてはスイスLHC加速器での検証が待たれるところです(予定では2007年夏ごろ?)。「えっ、ブラックホールを地球上で作るの?地球は飲み込まれないの?」とご心配の貴方、ご心配なく。生成するブラックホールのサイズは微小なため、ホーキング放射によりあっと言う間に蒸発する予定だそうです。(理論が正しければ、ですが) これが確認されればホーキング博士のノーベル賞受賞も夢ではないですね。あと人間と機械との関係に関する記述は、最近の立花隆氏のNHKスペシャル(サイボーグ)を思い出しました。というわけで、5年前の本ではありますが、十分楽しめます。文庫本でお手ごろ感もあり。