それがぼくには楽しかったから (小プロ・...

風見 潤 - 小学館プロダクション 価格
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それがぼくには楽しかったから (小プロ・ブックス)

風見 潤
小学館プロダクション

価格(new/used): -- 円 / 128 円 より
発売日: (2001-05-10) アマゾン売上ランキング: 110328 位
単行本 / 在庫切れ
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 21件

お金よりも誇りに生きがいを感じる人たちに次世代を感じます。
飛ぶ鳥を落す勢いで拡がっているオープンソースムーブメントの中核リナックスの創始者リーナス・トーバルズ氏の本です。どのようにしてリナックスが開発されてきたのか、日記風に回想されて書かれており、いわゆるオタクという人種の生活ぶりがわかります。内容には難しい用語のたぐいはあまり出てきません。でも、欲のない人達なんですね。市販してもおかしくないほど完成度の高いソフトを無料で公開し、協力し合って開発していく。私も過去にプログラマをしていた時期がありましたが、当時は到底考えられないことです。この本を読んで、ますます、オープンソースムーブメントを応援しようという気持になりました。また、同時にいつもお世話になってるこのモジラでさえもいとおしくなります。住居を限定せず、世界中を拠点に活動する活動家たちにエールを送りたいです。
著者のLinus Torvalds氏自体に興味がある人向け
Linuxというカーネルの開発トップのLinus Torvalds氏の自伝.スポーツ選手じゃないのに若くして自伝になる内容があるのがまずすごい.ソフトウェア開発に関する部分には特別目新しいことは無いと思う.知っている内容が多いだろうし,この分野はインターネット上で自由にアクセスできるものが一次情報である場合が多いし.そして,ソフト開発に縁がない人の場合は興味がそそられないだろうし,Linuxやオープンソース自体に興味を持った人にとってもストライクとは言えない内容.そういう意味で,位置付けが微妙な本である.

そんなわけで,この本を書籍として読む第一の利点は可読性の高さだと言える.Linus Torvaldsという人物自体に興味があるならばそれを求めて書籍代を払う価値があるだろう(とくに中古で安く買えるなら).著者の心の中とか人となりに関してこれほどコンパクトにまとめられた情報は他にない.本書を読むとLinus氏の温厚で冷静で抜け目ない正確がよくわかる.「優しい独裁者」という比喩もよくわかる.意外と毒っけを持っていることもわかる.
Just For Fun
Linuxの産みの親Linus Torvaldsの早過ぎる回想談。平易に書かれているので一般の方にも親しめるが、ソフトウェアに縁の無い方が本書を手に取るとは思えないので、やはり専門家向けにLinusの信条をプライベートを含め語ったものと言えるだろう。

Linux Communityに住んでいる方は勿論、ソフトウェア開発に携わる人にとっては本書に書かれている内容はプライベートな事を除くと(風説にせよ)おおよそ知っているものなので、それ自身驚くべきものではない。むしろ巻末に有名なA.Tanenbaumとの論争の様子が詳細に載っているのが面白かった。Linusは元々、TanenbaumのMinix(プログラム、本)に触発されてLinuxを書き出したので、いわば精神的な師弟関係にある筈なのに、意見が悉く異なるのが興味深い。この論争でTanenbaumが一貫して自分を教授の立場に置いて、Linusを一学生扱いしている(事実なのだが)のに対し、Linusは余裕を持って皮肉交じりに応えているのが微笑ましい。私も入社後、Minixの本を輪講したのだが、自分でカーネルを書こうとは夢にも考えなかったなぁ。

本書の内容からやや離れるが、Linusの最大の功績はLinuxそのものと言うより、「オープン・ソフトウェア」の概念を世界に拡めた事だろう。しかも、声高に叫ぶ事なく、Linuxという実体を伴って。この概念のキーワードは「open」と「give and take and give」である。後者は、自分も貢献するが、自分が享受したものは他者へ無償で供与するという美しいものである。本書は、そんな概念を寡黙に打ち出したLinusの素顔を知るのに好適な書。
前半〜中盤は知的好奇心をくすぐられる
Linux開発者とジャーナリストが一人称の視点で書き記した単行本。
一節一節にテーマがしっかりと分かれていて、読み物としては比較的読みやすい部類。

前半から中盤に掛け、「なぜ、自分がコンピュータオタクになったのか」、「Linuxの生い立ち」、「世界中へと展開されたコミュニティーへの発展」について記されている。
ここでは、著者が自分の人生を振り返るように赤裸々に物事を語っているのがおもしろい。
社会的にとか道徳的にではなく、「自分にとって楽しいか否か」を基準とした典型的なオタク型思考。
Linuxについては元々OS開発ではなかったことや、それをするに至るまでの経緯、就職してからのコミュニティーへの関わり方、家族を持ちながらの接し方など話は多岐にわたる。奥さんとの馴れ初めは笑わせてもらった。

後半はあまりに爆発的な普及、浸透により一躍、有名人となった彼の苛立ちが感じられる。
オープンソースとした、OSは様々な主義主張と絡み合い、論議に巻き込まれることの不快感からか。
いずれにせよ、彼はLinuxによって莫大な利益や、名誉を望んだわけではないことが充分に伝わってきた。

専門用語が飛び交う節は読む人間を選ぶが、思考や思想についてニュートラルに受け止めることのできる人なら楽しめる一冊。
リーナスの法則!!!やはりこのフィンランド人ただものではなかった
オープンソースの考え方から見ればFreeBSDの方が圧倒的に支持されるはずなのだ。だけれども何となく昔からLinuxユーザだった。
高価なMathematicaとかMatlabとか、が買えるはずのない、雀の涙ほどの研究費しかあてがわれていない、大きな金額の研究費も当てることのできない、貧乏で、ぱっとしない学者にとっては、デフォルトでCコンパイラのついていて、しかもLaTeXがインストールされているLinux(ほとんどのPC UNIXのディストリビューションがそうだけれどね)Linuxにはお世話になっている。
そういう一人のLinuxユーザが読んだ感想を書きます。

自分がLinuxユーザであるしLinuxがなければ仕事ができないので、なんとなくこの本を買ってはいたが、読む気がしなかった。
どうせオタクの独りよがりとLinux開発の苦労話がさらっと書いてあってそんなに大事な本には思えなかったからだ。
それにマスコミがLinuxを盛んに取り上げる機会も減ってきたし、あきらかにLinuxブームは去った。
だから本棚に一年以上も読まずに置いてあった。

それで、ただの気まぐれに読んでみたのだが、完全に侮っていた。
面白い本だ。
ただのオタクの内輪話だと思って読み進んでいたが不覚にも感動さえした。
リーナスの言う「楽しさに意味を見いだす意味」には共感できるものがあるし、生存と社会と娯楽という彼の視点は下手な哲学書よりも説得力がある。

その開発者にして、今や人類史上最大規模のプロジェクトとなったLinuxのバックグラウンドには、リーナスのの肩の力の抜けた、でも、しなかやなオタクの感性の産み出したものだった。

でも5年後にはだれもLinuixを知らなくなっているかも知れないけれどね。
それはそれでリーナスの思想に良く合っていると思う。