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森のバロック |
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せりか書房 価格(new/used): -- 円 / 1,000 円 より 発売日: (1992-10) アマゾン売上ランキング: 282441 位 - / 在庫切れ [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 3件 南方との大相撲中沢新一の南方熊楠論。 南方熊楠は 名前はよく知られているわけだが 実際にどこまでその著作が読まれているのかは また別の話だと思う。僕自身「十二支考」あたりを読んでみても とにかく 南方の自由気ままな筆致に幻惑されるばかりであり 誠に紀伊の森林に迷い込んでいるような気がするばかりである。民俗学者であり、植物学者でもあり 歴史家でもあり 地元のNGOでもあり、そうして それのどれでもないような奇矯な方である。空前絶後というのはこういう人を言うと思う。 そんな南方とがっぷり組んで相撲をとっているのが本書である。本書の凄さは 南方の業績を各論で捉えるのではなく 全体を片手で鷲掴みするような豪腕にあり まさに知の力士としての中沢の荒業に満ちている。 南方もようやく 死後長きにして 本書を得た というような思いがしてならない。 中沢新一と南方熊楠という二つの個性で二度美味しい一冊エスノメソドロジスト中沢を宗教学者と呼ぶのはマズイ。宗教学者中沢新一はすでに死んでいる。 南方熊楠全集に解説として書かれたものを一冊にまとめた中沢新一的南方熊楠論だが、南方熊楠論のなかでここまで神髄に迫れた論文は他にはない。標準的な鶴見和子の本よりも中沢の本のほうが数倍面白いのは、たぶん中沢と熊楠の美意識が同じ方向を向いているからだろうと思われる。新鮮な思想で専門家にパンチを食らわそうとして専門知識の面で上滑りしがちな中沢だが、この本は実によく書けている。中沢新一のほかに、だれもここまで熊楠に分け入ることができないのだ。側頭葉てんかんの天才熊楠に迫れる人間は、同じような天才か、とんでもない食わせ者しかいない。中沢は両者を併せ持つ天才的な悪魔である!。こんな本は悪魔にしか書けない。まったく素晴らしい。 読んでみるこの人の評価は極端に分かれる。宗教学を扱っている人であるからだろうか、それこそ宗教的に共感・反発を受ける。 南方熊楠の全集に解説を書いた後に生まれたこの作品は、当然のように熊楠について触れられている。 |