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新版 裁判の秘密 (宝島SUGOI文庫)
宝島社
価格(new/used):
500 円 /
89 円 より
発売日:
(2008-06-18)
アマゾン売上ランキング:
38025 位 文庫 / 在庫あり。 [ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0
/ 総数: 1件
形骸化した裁判の実態を暴く!弁護士という立場から裁判の問題点を鋭く指摘し、最後には改革案を提示する。
現行の裁判員制度には非常に多くの問題がある。その中でも著者が特に問題とするものがふたつある。ひとつは無駄に長い裁判期間、そしてもうひとつは勝っても実効性に問題のある判決である。
裁判は多くて1ヶ月に1回しか行なわれず、しかも1回が5分程度の極めて短いものである。そうなってしまうのは裁判官が常に300件程度の案件を抱えているからであり、一回の公判では原告側、被告側の両者から主張を書いた書面が一度取り交わされる程度のようである。
また、裁判は延ばそうと思えばいくらでも延ばせるとのことだ。金に関する緊急性のある裁判であれば時間を延ばされることは致命的になる。裁判の目的が果たせなくなるからだ。
同様に、判決の実効性の問題も重大だ。「500万円支払え」という判決がでたとしても、実際にその金額を受け取れる可能性は決して高くないという。控訴するケース、金を持っていないケース、預金や不動産の名義を変えるケースなど、いくらでも逃げ道はあるからだ。
著者は、とにかく形式に拘る裁判制度を、裁判当事者の立場に立って迅速化を進めるべきだと主張する。そのためにインターネットの導入を推す。また、強制執行を実効性のあるものにするために、国税庁などの公権力の持っている個人の資産情報を開示すべきだとするなど、抜本的な改革を促している。
裁判員制度が始まった今、従来の裁判制度を何ら検証することなく意図の不明確なまま導入された裁判員制度をこのまま続けるのではなく、制度の本当の問題点を議論し、根本から変えていく努力をすべきだろう。本書はそのきっかけとなりうる本だと感じた。
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