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僕の見た「大日本帝国」 |
| - 情報センター出版局 価格 ¥ 1,680 | |
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僕の見た「大日本帝国」情報センター出版局 価格(new/used): 1,680 円 / 794 円 より 発売日: (2005-02-01) アマゾン売上ランキング: 16036 位 単行本 / 通常24時間以内に発送 [ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 34件 ただの旅行記。紹介されたポイントの半分以上訪れたことがあります。その目でこの本を評するならば、まず第一に、掘り下げが甘い。甘すぎる。ただの旅行記というべき代物です。この本がここまで売れた要因としては、ひとえにコンセプトの勝利であり、それ以上ではありません。厳しい言い方かもしれませんが、著者の旅行記にお付き合いできる人だけ買えばいいと思います。その程度の作品です。 等身大のアジアがそこにある!この本は、インドへ自分探しの旅をするバックパッカーのノリで著者が大日本帝国を 探しにアジアへ飛び出した旅行記です。 この旅は、特定のイデオロギーに染まった自分にとって都合のいい答え探しの旅とは 違っています。現代の若者が有形無形のかたちでアジアに残る近代日本の残像と出会 い、限られた知識を振り絞って自分なりに導き出した答えや感想を率直に書き綴って います。 この本をもってアジアと日本の関係を語ることはできません。 あくまでも著者が見聞したものはアジアの表層の一部分でしかないのです。 しかし今の日本人は、その表層にさえ触れていないのではないでしょうか? そういう意味で観光旅行では知ることのできない、そして日本人なら知っておくべき アジア諸相をとの関係を考える端緒となる好著です。 構えずに気軽に読んでください。 そして我々戦後世代がアジアと新たな関係を構築していくきっかけにしてください。 旅行記としては★5つ西牟田氏は意欲的である。活動的である。あっちへ行きこっちへ行きしている。西牟田氏は楽しそうである。まるで観光客である。そしてそこが致命傷だ。 氏のタッチは下川裕治氏やクーロン黒沢氏を髣髴とさせる。ところがそこまで面白いわけでもない。 稚拙な文章力からは安っぽさが漂い、歴史部分は一夜漬けか著名な書籍を脇においてのにわか知識なのがありありとわかる。掲載されている写真も、当時の絵葉書から、笑顔の著者が一緒の記念撮影まで。文体の「俺はアッチにも行ってきたし、コッチにも行ってきたんだよーすごいだろう」という態度は決して聞いていて気持ちのいいものではない。真摯な意気込みの割にはまるで内容が道楽旅行なのだ。で妙にマジメなことをいうものだから、どうにも胡散臭い。イラクに行った三バカのジャーナリズム本を思い出させる。 なにやら若者が使命感のままに、でもそうすると重いからやっぱ気がつくままに、でも現実の声を入れて、でもそれほど知識があるわけでもないから・・・まーなんでもいいや。みたいな感じの本なのだ。 だが紀行文としてはやはり読ませるものがある。にわか知識のせいで記述が時々誤るのだが(妙に偏った知識しか持っていないときがある)、一応左右どちらにも偏った平等な見方で描いている。単なる娯楽本として読むにはいいかもしれない。だが、正直これくらいの文章なら今はホームページでいくらでもタダで読めるというのが正直な感想だ。 等身大の個人としての戦争体験理解を共有できる本中国、あるいは韓国の立場から反日を当然とする本も、あるいは日本の立場から反日につばを吐いたり卑屈すぎるほど卑屈になった本も読みたくはない、だけどやっぱり色々読んでみないとわからないことがある。 で、この本。 著者が自分と2歳しか違わない同じ戦後世代だったこともあって、彼の受けた教育と私の受けた教育はかなり近い。 著者が政治的にニュートラルで、かつ視線が等身大だったことで、戦前・戦中に日本が拡大した領土内でいったいどんなことをしてきたのか、そのよいところも悪いところも著者が見聞きした・調べた範囲で誠実に書かれている。 私は自分であちこちの戦跡を見て回ることはできない−−−というかしない−−−と思うので、彼の体験を追体験させてもらうことで、当時被植民地だった地域の人々が今日本にどういう感情をもっているのか、ということの一端が理解できたのは大変ありがたいことだと思った。 中国人の友人を前にして、その愛国心に感心したり辟易したりすることが多々あった。 翻って、自分はオリンピックだワールドなんとかだってスポーツの分野ですら、日の丸日の丸と騒がれると「応援する気持ち」と「複雑な気持ち」が必ず入り乱れる。 どっちも、戦後のそれぞれの国の教育のあり方によるところが多いんだろうなと思う。 ただ、自分が受けた教育そのものは今更変えようがないし、また学校教育で何もかもまかなってもらおうというのはそもそも無理だと思う。 だから、今からできることといえば、できるだけ多くの立場を知り、できるだけ多くの事実を知り、できるだけ多くの感情をしって、自分なりのポジションなり考え方を作っていくしかないんだと思う。 いずれ、日本代表がどうのとか日の丸を背負ってどうのとかいう言葉を尻がかゆくならずに聞けるようになればいいなと思うけれど。 丹念なフィールドワークこの本の成立事情を知っていなかったら、手に取るのがためらわれる題名かもしれない。政治的な内容ととられかねない。 この本が書かれる発端となったサハリンの旅の準備に、西牟田さんは今の「WTN−J」、当時のNorthernWalkersのBBSに盛んに書き込み、情報収集に余念がなかった。 そのサハリンの旅が2000年、それから4年の歳月をかけて、西牟田さんは旧大日本帝国の跡を旅して回った。この本はその旅の記録。そして、久々に読み応えのあるよい旅行記だと思う。 この本は週刊文春の書評欄にも取り上げられていたし、帯には「第4回新潮ドキュメント賞最終候補作」ともある。それに、なにより作品の出来栄えが、達成感を感じさせるのではないか。いずれにせよ、西牟田さんにとってひとつのモニュメントとなる作品だろう。 「靖国」「竹島」「チベット」、テレビで議論を戦わせている人たちが、現地の思いを知っているとはとても思えない。かつて植民地支配されていた地域の人たちは、今、日本に対してどう思っているのか?知りたければ、旅に出るしかない。西牟田さんという旅人のパーソナリティーがよい。読者は難なく旅人の視点にたつことができる。 面白かったのは中国の万人坑の章。語られる内容の恐ろしいほどの残忍さの一方で、シュールなほどおかしい。この中国人を松本人志が演じたら、最高におかしいコントになる。だが、そのおかしさを成立させている残虐行為を、現実に、日本人が行ったのである。 それでも人は生きていく。それが私には不思議なほどだ。現実はまったく割り切れない。その割り切れなさを難しい議論でこじつけず、旅人の感性を守り通したことが、この本を読み応えのあるものにしている。実は、あまり期待していなかったけれど、とてもよかった。 |