深呼吸の必要

- 晶文社 価格 ¥ 1,600
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深呼吸の必要


晶文社

価格(new/used): 1,600 円 / 554 円 より
発売日: (1984-01) アマゾン売上ランキング: 106371 位
単行本 / 通常24時間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 3件

たしかに、あのとき、かもしれない。
この詩集に出会ったのは、かれこれ20年ほど前だったか。当時、マガジンハウスから出ていた「鳩よ!」という文芸雑誌で、これまた当時アイドルだった斉藤由貴によって紹介されていた。
たまたま図書館で目につき何気なく手に取った雑誌。また斉藤由貴にも興味はなかった。
が、その詩にいきなり、ぐっ!と引きつけられた。
すぐさま購入した。しかも、全編、奇跡的と言っていいほどの「珠玉」だった。
詩を敬遠する人は、その大げさな表現に辟易するとこともあると思うが、これは平易な言葉で綴られている。そして、だれもが思い当たるような「何気ない1シーン」から、記憶の細い糸をたぐらせる。
あまりによかったので、何冊か人に押しつけた。そのたびにまた買った。そんな記憶も懐かしい。
ほんとうに名作ですよ。不朽の、という表現を付け足したいくらい。
大人になりたかった子供のときの自分に出会える詩
あのときかも知れない。

一番最初にこの詩を読んだのは、森瑤子さんの小説”秋の日のヴィオロンのため息の”に引用されていたためです。それまで詩なんて縁のないものと思っていました。この詩は、私たちが子供から大人になったのはいつだったのか、子供の頃の記憶をよみがえらせてくれます。そして早く大人になりたいと思っていた子供の頃が懐かしく、大人になってしまったことがなんだか少し寂しく切なくなってくるのです。
秋の日の・・・の主人公も言っていますが、自分が思っていて言葉に出来ないことを優しい言葉で正確に言い表してくれています。
いつのまにか、この詩風景に自分が入り込み、子供になって、大人たちを眺める自分に気がつきます。

心の水平線を静かに眺めたい日に。
タイトルに惹かれて何気なく手にしたこの詩集が私と長田氏を引き合わせてくれた初めの一冊だった。

一頁一頁をゆっくり手繰り寄せてゆくと文字通り言葉を深呼吸するが如くするりと心のささくれに染み入り、帳簿が綺麗になっていくのを感じた。

以来、ほんの少し 立ち止まってみたい時、ただ緩やかに呼吸を繰り返したい時に決まってこの詩集を開く。 そう、心の水平線を眺めるようにして。

戻ることの出来ない「遠く」へ来てしまった大人達に、深呼吸を必要とするすべての人に、是非ともお薦めしたい。