リヒテルと私 河島みどり 著

- 草思社 価格 ¥ 1,995
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リヒテルと私 河島みどり 著


草思社

価格(new/used): 1,995 円 / 1,376 円 より
発売日: (2003-09-20) アマゾン売上ランキング: 328607 位
単行本 / 通常3~5週間以内に発送
[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.0 / 総数: 5件

ファンにはうれしい本ですが…
リヒテルのファンとして“通訳者”の目から見た話を期待していたら、通訳こぼれ話も音楽に関することもほとんど無く、鎌倉が好きだった等のへぇ〜なんだけどどうでもいいトリビア満載。ヨーロッパのホテルに関する記述もあるので紀行モノが好きな人には推薦できます。(といっても、ブダペストのケンピンスキーがまだ新しいホテルだった時代のことですが。)

日本人の通訳兼アシスタントが巨匠リヒテルに就寝前のマッサージまでしていたとは驚きです。

リヒテルがヤマハのピアノを弾いていたことが疑問でしたが、この本を読むと、ヤマハの調律師たちを信頼し、ありあまる打鍵の強さをコントロールするために高めの椅子に座って弾いていたことが理由の一部として浮かび上がる。

文章はまあまあ読みやすくて控えめで饒舌になりすぎないのはいいと思うのですが、イタリア人といえば泥棒、フランス人といえばいいかげん、日本人は勤勉な「単一民族」といったステレオタイプを述べる感覚だけはいただけない。目についた行動パターンを特定の民族と結び付けたりするような感覚で読者に読ませる本を書くとは情けない。それとも世代的なものか。
巨匠も一人の人間だった
河島みどりさん(通訳として付き合い始め、付き人として世界各地の公演旅行を一緒に回った)とリヒテルの、27年間に渡る交流の中からのエピソード集。
気難しいと言われた巨匠に、「かわいさ」を感じた時から、二人と巨匠を取り巻く仲間達との交流が始まった。
巨匠の隠れた、少年のような純真さ、直観力・記憶力、事物の全体構成をつかむ能力・土地感覚のすごさ、音楽に対する真摯な態度と洒落た会場作りの工夫、演奏会前の恐怖、日本を敬愛した様子等々・・・。一般人には知りえない数々の事柄を、彼を暖かく包むユーモアあふれる文章で綴り、巨匠の人間味を良くも悪くも赤裸々に表している。

この本を読んでから、リヒテルの演奏に一層の暖かさを感じるようになった。
最初で最後のチャンス!
マエストロが生きていれば、きっと、この本は出版できなかったでしょう。だれでも、プライベートをあれこれ書かれるのは、いやなもの。巨匠、リヒテルの素顔をのぞける、最初で最後のチャンスでしょうね。
おいしかった1册
 何かに対して、とてつもなく秀でている人、すなわち「天才」は、概して、それ以外のことには無頓着なものである。
 特に、日常のあれこれに関しては。

 例えば、某世界的建築家の奥様によると、某建築家は、在宅していても、コップ一つさえ、どこに置いてあるか、わからないのだとか。

 この本を私は、マエストロ、リヒテルの(従者による、ある時期の)貴重な日記として読んだ。むしろ、音楽性に関して、あまり触れていないのが良かったと思う。

 日記にはいろいろな書き方があるだろうが、「ある日(朝、昼、夜)、どういう食事をしたのか」は、武田百合子『富士日記』の例があるように、いい切り口の一つだ。

 あれほど、いつも苦虫を噛み潰しているような顔をしていた天才的ピアニストが、果物を含めたデザートにとても詳しく大好きだったり(要は甘党ということだ)、自分をよく知り安心できる人が、常に脇に付いていないと、移動や食事さえも、ままならなかったりする。

 そういうアンバランスさを、ついつい、「ほほえましい」「構ってあげたい」「あなたは、そのままでいいの。本業に没頭して頂戴!」と、思わずエールを送りたくなってしまったのは、著者も同様だったようである。

 リヒテルが好んだデザートを、ぜひ食べたくなった。

読んでも良いかも知れない、巨匠の回想記(^^)
kewpieさんのご意見ごもっともだと思います。

ある人物に対する回顧録がどれだけ読者に受け入れられるかは、
その人物像が読者のイメージするものとの乖離の度合いでしょう。

私の場合はあまり違和感はありませんでした。

また、本書はリヒテルの日常生活についての逸話が多く、
音楽的なことはあまりかかれていません。

この点から著者がリヒテルとある一定の距離を置くことの出来る人だというのも読みとれます。
何と申しますか、割と客観的で、そのことに好感を持ちました。

とはいえ、上記のような理由により感想は人それぞれだと思いますので、
参考になれば幸いです。

あまり難しいことが言えず申し訳ないです。